『グレンストック』による「HACK」。カントリースタイルが一気にアクティヴ&モダナイズ化。
今回『グレンストック』に「HACK」を依頼した1足は、『サンダース』のギリースタイルのカントリーブローグ。
クレープソールが痛んでいる。「どんな時履く感じですか」と聞かれ、自転車の時に履いていても問題なく、また雨にも強い厚底ソールをリクエスト。さらに雨天時にウェルト部から雨が染み込むのが気になることを伝えると、「コーキング」、つまり隙間の目止めの仕様を提案された。グッドイヤーウェルトのリペアは難しくなるが、ウェルトがカバーされている状態に興味があり、その方向で五宝さんに検討してもらうことに。
果たして仕上がりは、なんとギリーはナイロンリングのディテールとして残り、シューレースはサロモン社の「クイックレース」に換装。一気にモダン&アクティヴな印象が付加された。そしてウェルトステッチはブラウンのラバーでコーキング。厚底ソールには適当な丸みがつけられて、雨天時でもスムースな歩行が可能になっている。
【GUIDANCE(説明)】
【PROCESS(工程)】
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3_タンのところにナイロンリボンをつけたディテールは、まずはタンにリボンをつけた後で、バランスのよいステッチ位置をきめて縫っていく。コヨーテカラーが、ブラウンスエードと相性がいい。4_カントリーブローグのスタイルと、アウトドア系スニーカーなどにもよく見られるナイロンリングのレースステイとの組み合わせは、ともに本来使われるシーンが近いせいか相性が良い。
【FINISH(仕上がり)】
『allure(歩き方)』と名付けられた靴。厚底部分は硬度70°台の硬めのEVAを使用している。屈曲性があまりないぶん、トウスプリングなど丸みあるソール形状で歩行のしやすさを生み出している。コバのところはブラウンカラーのシリコンでコーキング加工が施され、防水性も備わっている。シューレースにはサロモンの「クイックレース」を採用して、スムースな着脱を実現。今回の修理内容はクイックレース ¥8,800、ミッドソールEVA ¥5,500、woodmilneairlite オールソール ¥16,500、防水コーキング加工 ¥11,000、丹沢ディアスキンインソール加工 ¥8,800。
1_アウトソールは、ヨーロッパのビスポーク靴店などではよく知られている「ウッドミルン」のもの。2_厚底の存在感と、コーキングの質感が相性がいい。3_インソールに使っているのは、丹沢で捕獲された鹿の原皮を植物タンニンで鞣した「yes. organic deer leather」の革。野生の動物の革なので均質ではないものの、柔らかな質感と、肌に優しい性質が特徴だ。
『グレンストック』を率いる五宝賢太郎さん。オーダーメイドの靴づくりから修理まで、幅広く手がけている。最近はそこに「革づくり」が加わった。今回のイノシシ革のような「地産地用」の試みは今後も取り組んでいくという。
shop information
『グレンストック 六本木店』
住所:東京都港区六本木5-16-19
電話:03-6277-7129
営業:11:00〜20:00 日休