ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Semi Brogue Oxford
セミ ブローグ オックスフォード
前出のフルブローグオックスフォードに対して、ブローグの部分が比較的少なめなスタイルをこのように称する。さらにブローグが少ない、またはトウキャップのパーフォレーション(メダリオン)がないものはクォーターブローグと呼ぶこともある。キャップトウの場合が多く、フルブローグよりは装飾性が少ない、または英国風味が抑えられたスタイルとして、ビジネスからカジュアルシックな装いにまで幅広く合わせられる靴といえる。
1. 程よいカジュアル感、汎用性の高さ。
ブローグやパーフォレーションはいわば古くからの紳士性や英国性を表象しているといえるが、セミブローグはその性質が、キャップトウオックフォードのフォーマル性にうまく配剤されたスタイルといえる。
2. ブラウンカラーでカントリー感。
上のフルブローグも同様だが、ブローグ本来が持つカントリー性は、アッパーの革をブラウン系の色にすることでより雄弁に表現される。アンティークフィニッシュ(仕上げ)なども、このスタイルの靴と相性がいい。
Church’s
DIPLOMAT
ツヤ感ある表情が特徴の、同ブランドの独自の革「ポリッシュドバインダー」をアッパーに使ったセミブローグ。ラストはNo.173。
¥87,000(チャーチ/チャーチ 表参道 tel.03-3486-1801)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。