サステイナブルな革靴、を選んでみる。
G.H.BASS & Co. LOGAN MOC

サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?

G.H.BASS & Co. ジー・エイチ・バス
LOGAN MOC

テンションを感じさせる縫い目と、ブラッシュドレザーの光沢感の組み合わせが、独自の魅力を醸し出している。陰影感のあるバーガンディカラーは定番的な色。ハーフサドルのディテールは、世界中のローファーのデフォルトになった。行き過ぎた高級化をすることなく、いまなおリーズナブルなプライスで提供されていることも注目だ。
¥23,000(G.H. BASS TOKYO tel.03-5843-0777)

ローファーの始原を今なおそのまま楽しめること。

 長く履ける靴、ということには、同じスタイルの靴を時代を問わず選ぶことができるという見方も含まれるだろう。1876年創業の『ジー・エイチ・バス』は、アウトドアやミリタリーのブーツを手がけるシューズメーカーだったが、1936年に、ノルウェー調のモカシンスタイルから名づけられたブランド『ウィージュン』をスタートし、モカステッチが配されたローファーがつくられるようになる。そしてそれは60年代にアイビーリーガーのマストアイテムとなり、やがて全世界的に知られるようになった。現在もモカシン製法でつくられているこの「ローガン」は、アッパーのガラスレザーや、アンラインドの構造など、往時と大きくスタイルを変えていない。新奇なものを追い求めるのではなく、ひとつのスタイルを継続して楽しむこと。それも現代に合った考え方かもしれない。

SIDE
短めで、低く抑えられた甲部と、大きく開いた履き口。リラックス&カジュアルな着用感が当時は斬新で、やがてそれは若者たちに支持された。
ABOVE
モカステッチが木型甲部のラインをフォローしていることがよくわかる。モカシン製法でつくられ、マッケイ製法でアウトソールと縫い合わせられている。

photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。

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