限定イヤーモデル〈ロペス〉
「靴はロペスしか履かない」という人物がいる。彼はロペスだけで十数足を所有している。不動産業を営む彼は、物件案内の際に頻繁に靴を脱ぎ履きする。紐靴では煩わしいが、ローファーなら容易に着脱できる。職業柄スーツ姿を崩すことはできない。しかし他のブランドのローファーではカジュアル過ぎて背広には似合わない。その点、ほっそりと上品なロペスは、誂えたビスポークスーツに最もふさわしい。彼は囁くように言った。

¥441,100
「 こんな靴は、世の中にロペスだけですよ」
そのロペスが今年、誕生75 周年を迎えた。1950 年にオーダー靴として初めて登場して以来、常にジョンロブを代表するアイコンであり続けてきた。その記念として「イヤーモデル」のロペスが発売される。ジョンロブのイヤーモデルは年に一度だけ登場する特別な存在であり、ブランドが誇る最高峰の技術が注ぎ込まれる。今回のロペスも一見するとごく普通のローファーに見えるが、実際にはアッパーが一枚革で構成され、エプロン部から踵内側にかけて繊細なハンドステッチが走る、極めて贅沢な仕立てとなっている。
彼は続ける。「ジョンロブは英国のブランドだけど、親会社はエルメスでしょ? ロペスはちょっとフランスの香りがするんですよ。そこがたまらない……」――英国の気品とフランスの洒脱さ。そしてイヤーモデルならではの超絶テ
クニック。その三つが重なり合い、またひとつ名靴が生まれたのだ。
● LAST issue27より
photographs_Tatsuya Ozawa
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ジョン ロブ ジャパン
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