『T・シラカシ・ブートメイカー』のMTOがスタート。
ビスポークのカントリーブーツを手がける靴職人として知られる白樫徹哉氏。2020年12月より、白樫氏によるオックスフォード(短靴)のMTO(メイド・トゥ・オーダー)がスタートする。カントリーをハウススタイルとしてきた白樫氏らしく、「ジーンズからトラウザーズまで幅広く合わせることができ、ヘビーユースできる」オックスフォード(内羽根)シューズを目指しているという。
使われている木型はこのMTOのために新たに開発したショートヴァンプ、クラシックなラウンドトウのラスト。アッパー素材やスタイル、ディテールの選び方で、普遍性を備えたドレスシューズからカジュアル感あるカントリースタイルまで、さまざまな雰囲気の靴に仕上がるのが特徴だ。
ボトムコンストラクションはハンドソーンウェルテッドで、アウトソールをマシンで縫い付けるいわゆる「九分仕立て」。ウェルティングまで白樫氏の工房とアウトワーカーの靴職人による手作業で行い、アウトソール縫製は『ユニオンワークス』のファクトリーが担当している。高級靴の修理に豊富なノウハウを持ち、近年では『シュナイダー・ブーツ』の底づけも行う同ファクトリーの高い技術が活かされている。ちなみに白樫氏と『ユニオンワークス』は、ともに横浜・山下町のヴィンテージビル「インペリアルビル」に店舗を構える「ご近所さん」でもある。
展開スタイルはプレーントウの「Cavarly(キャバルリー)」、キャップトウの「Flannel(フランネル)」、セミブローグの「Cheviot(チェビオット)」、フルブローグの「Herringbone(ヘリンボーン)」の4種がベース。仕様変更でパンチドキャップやクォーターブローグも可能だ。アッパー素材はボックスカーフやスエードなど幅広いバリエーションから選べるが、白樫氏のお薦めは、英国『J&FJ BAKER & Co.』が手がけるワックスドカーフ。天然オイルとワックスが染み込ませてある野趣を感じさせる革で、ボーン(骨)で表面を擦って傷を消し艶を生み出すことができるという。
サイズは6 1/2から9までのハーフサイズごと、9バリエーションをまずは展開。価格は「Cavarly」と「Flannel」が¥220,000、「Cheviot」と「Herringbone」が¥230,000(ともに税別)。オリジナルのスリーピースのシューツリーが付属するのがうれしい。納期は3ヶ月が目安(時節柄海外からの素材仕入れ遅延の可能性があるので、注文時に要確認)。2020年12月26日より、白樫氏の工房兼店舗もしくはオフィシャルサイトにて、受注を開始する。
T.Shirakashi Bootmaker
神奈川県横浜市中区山下町25-2 インペリアルビル 504A
https://shirakashi.jp
photographs_Hirotaka Hashimoto
text_Yukihiro Sugawara