『ギルド・オブ・クラフツ』が提案する既製靴。

1997年よりビスポークを中心に靴づくりを行ってきた『ギルド・オブ・クラフツ』。同ブランドより、2017年にはグッドイヤーウェルテッドのレディメイドシューズが発表されている。

フィッティングを追求したオーセンティック・スタイル。独自の足入れ理論に基づき実際の足形状に近い木型を開発。

独自の足入れ理論に基づき、フィッティングを追求してきた同ブランドは、多くのクラシックシューズにおいて「足の構造上の特徴」と「ファッションアイテムとしての靴」との間で歪みが生じていると分析する。そして外観の美しさを優先した結果、甲部のボリュームを足の骨格構造に反して靴の中央に配してしまうことや、土踏まず内側のウエストを細くくびれさせることで5指足が圧迫されるなど、足に負担を強いるケースが多いとも。

こうした状況への解決策として、見た目の美観を保持しながら、足形状に近い木型の開発を行い、今回の既製靴を完成したのだった。スタイルはキャップトウオックスフォードの一種、アッパーの革もアノネイ社のブラックカーフのみ。そして「Narrow Fitting」と「Comfort Fitting」のどちらかを選ぶことができる。小指への圧迫感などに悩む人に朗報だ。

Comfort Fitting
日本人の足にあわせた、コンフォートな履き心地を実現するために、木型の中心線をめぐるバランスや調整を再考した。横から見た際、ヴァンプ部からトップラインへの立ち上がりもなだらかになっている。

Narrow Fitting
よりタイトなフィッティングを求める人に対応した木型を使ったモデル。単に Comfort Fitting をタイトにした のではなく、各部の形状やバランスを調整してタイト感をもたせていることが写真からも見て取れる。

ビスポークで使用する仮縫いの靴。透明なプラスチックで作成することで、靴の中の足の状況がわかる。こうしたフィッティング追求の積み重ねから、今回の既製靴の木型が導かれているという。
今回のレディメイドシューズには、英国スプリングライン社によるオリジナルのシューツリーが付属する。「Blackie」¥105,000。

photographs_Takao Ohta

information contact
ギルド・オブ・クラフツ
tel:03-5824-3280
www.guild.tokyo

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