ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Plain Gibson
プレーン ギブソン
ギブソンとは英国でその語が使われることが多く、基本的にはダービーの別称とされるが、いくつかのシューズメーカーや靴店においては、写真のようなレースステイ部がアッパー上部に縫い込まれたようなスタイルにこの呼称を使っている。通常のダービーのようなソールに伸びる切り返しがないため、かつては水などが侵入しにくい機能的なスタイルだったとも考えられる。通常のダービーよりも活動的でカジュアルな印象がある。
1. 実はアッパーは一枚革。
カジュアルな印象のギブソンだが、アッパーは大きな面積のパーツで構成されている。ゆえに革の品質が問われるスタイルといえる。また、通常のダービーより羽根の開きは狭く、フィッティングはシビアでもある。
2. タフな仕様が盛り込まれることも。
スタイルの起源と関連してか、防水性を求めたストームウェルト(リバースウェルト)やダブルソールといった仕様が採用されていることが多い。ダービーのギア性がより追求されたスタイルともいえそうだ。
Church’s
SHANNON
丸みあるトウのラストNo.103を使用。アッパーはブラックのポリッシュドバインダー。レースステイにはスキンステッチが施される。
¥97,000(チャーチ/チャーチ 表参道 tel.03-3486-1801)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。