【M.MOWBRAY エム・モゥブレィを使ったケア】
「鏡面磨き」を革に優しく落とす方法。
鏡面磨きのリセットは履いた頻度や時間にもよるが通常は一月に1回程度、通常のシューケアと合わせて行うのが望ましいだろう。これらを行わず油性ワックスを鏡面に重ね塗りし続けると、ワックスで封印された革が乾燥し、ひび割れの原因になるからだ。まず、指に巻いた布に鏡面磨きの除去に特化したクリーナーを含ませ、鏡面の部分をぬぐう・撫でるイメージで力を入れ過ぎず優しく拭き取る。除去した油性ワックスの成分を革に戻さぬよう、布の面を都度取り換え、ワックス層の厚みに応じ革の毛穴がうっすら浮き出る感じになるまでこれを2・3回繰り返そう。その後、通常のクリーナーで残った油性ワックスや古い乳化性クリームの成分それに汚れを落とせば、革がすっぴんの状態に戻る。ここから乳化性クリームを塗るなど通常のお手入れに進んで行けば良い。なお、革の潤いが明らかに足りない場合は、その下準備にデリケートクリームを塗っておくのも忘れずに。
ガラス瓶入りのM. モゥブレィワックスクリーナーは、一回の使用量は指ひと腹分程度で大丈夫。揮発性にすぐれ革の表面でべたつかずサラッとした使い心地だ。¥1,200。同社のステインリムーバー(クリーナー)を後に用いた結果が向かって右側の靴の靴のつま先。革にダメージを与えず油性ワックスが落ちたのが一目瞭然。
お話を伺った方
竹林 賢人 さん
R&D 営業企画部主任
text_Takahiro Iino
photographs_Takao Ohta
○雑誌『LAST』 vol.18 『Shoe Care To Keep Shoes in Good Condition「保たせる」「履き続ける」ためのケアを考える』より抜粋。