ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Plain Derby
プレーン ダービー
ダービーとは「外羽根式」の総称。紐で締める左右のパーツが、基部で開いた状態のスタイルを指す。レースステイ(羽根)の形状が、競馬の出走ゲートに似ていることからその名がついたといわれる。プロシアの元帥ブラヘルが考案した外羽根ブーツが起源で、アメリカでは彼の名にちなみブルーチャーとも呼ばれる。オックスフォードに比べ着脱が容易なためワークシューズやミリタリーシューズなどにも採用され、ゆえに活動的なイメージがある。
1. ギア性の強さが個性でもある。
左右の羽根を大きく開くことができるため、着脱が容易なことと、甲部の締め付けをレース(紐)で調整できることから、使い勝手のよいギアといえる。ゆえにワーク系の靴としてもこのスタイルは展開されている。
2. アイレットの数で印象が変わる。
スタンダードなダービーは5〜6アイレットだが、英国の老舗靴店などでは、2または3アイレットのスタイルがドレッシーな靴として展開されている。それぞれ「ツータイ」「スリータイ」ダービーなどと称される。
JOSEPH CHEANEY
ALDERTON
同ブランドの設立年を冠したラウンドトウのラストNo.1886を使用したブラックカーフのプレーントウダービー
¥67,000(ジョセフ チーニー/BRITISH MADE 青山本店 tel.03-5466-3445)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。