新しいベーシック、「カットシューズ」。

クラシックなスタイルをベースとしながらも、現代的な革靴のあり方を提案する『カルマンソロジー』。その最新モデルは、紳士靴の新たな地平を垣間見せる。


『カルマンソロジー』から今季発表された「カットシューズ」。従来のグッドイヤーウェルテッド製法ではなく、マッケイ製法を採用した、スリップオンタイプの軽やかな靴は、新しさとともに、普遍性を感じさせる。

「カルマンソロジーを始めた時、〝3つのラインの表現〟を決めていました。ドレス、カジュアル、そしてもうひとつ。より現代的で自由、動きのある表現を模索していました」

 このように語るのは、デザイナーの金子真氏。そんな金子氏は、雨の日の風景からブランドのイメージソースであるアジェの写真を連想し、「もしアジェが仕事ではなく、自分の気持ちを切り取った写真を撮っていたなら?」という直感を得たことが、このカットシューズに繋がったと説明する。さらにそのデザインには、ウィメンズシューズの美意識や感覚が反映されているとも。

「最大限足を美しく見せるということにこだわり、カッティングラインを組み立てる。女性ならではの視点と思考を反映させたのがカットシューズの由来であり、デザインのベースとなる考え方です」と金子氏。その結果生み出されたのは、パンプスのメンズ版ともいえる靴だった。

 カットシューズ導入後、若い世代からの支持が増した、と金子氏。

「ファッション性で注目されることは良いことだと思っています。あくまで装いのいちアイテムにすぎないのに、革靴だから、という堅い考え方が、かえってお客様との距離をつくっているように思えるからです」

STYLE. 8_001 SLIP ON CUT

model_STYLE. 8_001 SLIP ON CUT
ヴァンプラインとクォーターラインの交差位置にV字をつくり、この位置を軸に履き口のバランスをつくっている。そうすることで履いた時にきれいなスクエアのカットラインになる。アウトソールはさまざまに吟味を重ねて、4.5ミリの厚みの革に決定したという。

STYLE. 8_003 PUMPS CUT

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カットシューズの「パンプスらしさ」がよく表れている。履き口のラインのアールに強弱をつけることで、高くしたインサイドのトップラインへの流れを自然にしつつ、適度なフィッティングを実現しながら足に沿うカットラインを実現している。素材はカウレザー。

STYLE. 8_002 WESTERN CUT

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ウエスタンブーツのディテールから発想された切り返しが配された、ヴェルヴェットとカウレザーのコンビスリップオン。トップラインにはパイピングが配され、ルームシューズ的なフィーリングがある。サイドカッティングのアールで、フィット感を向上させている。

information contact
カルマンソロジー
https://calmanthology.com/


photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯「LAST」issue17 /『
新しいベーシック、「カットシューズ」。』より抜粋。

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