ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Apron Front Derby(Norwegian)
エプロン フロント ダービー(ノルウィージャン)
先述のエプロンフロントダービーの項でも触れた通り、ヨーロッパでは U 字のステッチで囲われたエプロン部を持つスタイルをノルウィージャンと称することが多い。U 字のステッチはミシンステッチの場合もあれば、ハンドソーン、拝みモカステッチなどいくつか種類がある。フランスやイタリアではトウ部の縫い合わせ部が比較的長めのスタイルが見られ、イタリアではその形状から「Y(ワイ)チップ」などと称する場合もある。
1. トウステッチが印象的。
エプロン部を大きくとるスタイルがある一方で、ノルウィージャンと呼ばれる靴にはエブロン部以上に、トウ部のステッチが印象的なスタイルも多い。トウが割れている、という意で「スプリットトウ」とも呼ばれる 。
2. レースステイはダービースタイル。
先に挙げたエプロンフロントダービーのレースステイの構造はギブソンスタイルだったのに対し、ノルウィージャンのレースステイには、ダービースタイルの、ソールへと伸びる切り返しがあるのものも多い。
J.M.WESTON
598
ブラックカーフをアッパーに使ったスマートなラウンドトウのスプリットトウダービー。ソールはダブルソール。
¥115,000(ジェイエムウエストン/ジェイエムウエストン 青山店 tel.03-6805-1691)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。