現代のベーシックを再考する。16. Paraboot

ライフスタイルの変化や時代の経過の中で、変わることなく輝き放ち続ける靴。そんな現代のマスターピースをピックアップした。

Paraboot
MICHAEL

イタリアで再評価された堅牢な靴。

縫い合わせをカバーしたパイプモカと、ギンピングが施されたウェルトが、野趣を感じさせる。ラバーソールはアッパーにあわせた色が選ばれている。

 レミー・リシャール氏の息子であるジュリアン氏が1937年に経営を継承。丈夫でより使い勝手のよいワークシューズづくりを進める中で、1945年に製作されたのが「ミカエル」だった。チロリアンシューズのスタイルを踏襲した靴は、アルプスほど近くに位置するシューズメーカーらしいといえる。その後パラブーツはさまざまな紆余曲折を経るが、1980年代、メンズファッションをリードし始めていたイタリアにおいて、ワークシューズ由来の堅牢な存在感を備えた「ミカエル」が人気を博し復活する。以来、トレンドがラギッドな方向に向くと、ミカエルは必ずといっていいほど取り上げられるアイテムである。オイルドレザーをアッパーに使ったものの他に、ファーをコンビ使いしたものやキャンバスなど、さまざまなバリエーションが展開されている。

FRONT
REAR
EYE-LEVEL
Data
ブランドパラブーツ
モデルミカエル
展開アッパースムースレザー(ブラック、カフェ、マロン、グリーン)、ヌバック、ガラスレザーほか
ソールノルヴェジェーゼ製法、ラバーソール
展開サイズ38〜43.5
価格¥65,000〜

information contact
パラブーツ 青山店 tel.03-5766-6688


photographs_Takao Ohta
styling_Tomohiro Saito
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』 issue.17 「現代のベーシックを再考する。」より抜粋。

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