【WREN’S ウレンズを使ったケア】
革靴を履き下ろす前に行いたい「プレケア」の方法。
特にインポートの靴は顕著だが、革靴は製造〜購買までの時間が長くなるケースも多い。その間に失ってしまった潤いをアッパーの革に回復させ、深く醜い皺が入るなどの履き下ろしの際に起きがちな革のダメージを最小限に防ぐのがプレケアの目的だ。まず毛質のソフトな馬毛ブラシでホコリを軽く落としてから、水分の豊富なデリケートジェルを塗る。量は片足で歯ブラシ 1/2 程度で十分。続いて乳化性クリームを塗布し革に油分と蝋分を入れ光沢を出す。分量は片足米粒2・3粒程度。なお、これらを塗る際には専用の小さなブラシを用いると効率良く進められる。その後、毛質が硬めの豚毛ブラシでブラッシングし、乳化性クリームの成分をアッパーの革全体に均等に行き渡らせる。浸透を促進するため、ここでは比較的強めのブラシ掛けを心掛けたい。布で乾拭きをした後、好みに応じて爪先やかかとなどに油性ワックスを塗り光沢をさらに高めてもOK。
香りの良いウレンズデリケートジェルと、クリーム類を塗るのに丁度良い大きさのウレンズドーバーブラシは共に¥900。プレケアで用いる乳化性クリームの色は黒の靴なら黒で、茶系は靴の色より1トーン明るいものがお勧め。なお、プレケア以外にも用いることが多い豚毛ブラシは、できれば靴の色毎に揃えておきたい。
お話を伺った方
小島 隆聖 さん
荒川産業 営業部
information contact
荒川産業株式会社 tel.03-3874-8191
text_Takahiro Iino
photographs_Takao Ohta
○雑誌『LAST』 vol.18 『Shoe Care To Keep Shoes in Good Condition「保たせる」「履き続ける」ためのケアを考える』より抜粋。