達人たちの「持続性」ある靴。 〜森島久〜

ブーツに合わせたデニムは、『BONCOURA』9周年を記念した、66モデルベースのブラックデニム。ジャケットはインディゴリネン生地を使った、M-43の『BONCOURA』バージョン「B-43」。シャツは『BONCOURA』のデニム生地のウエスタン、中にあわせたのは「USA」とプリントされた古着のタイ

アメリカの田舎町で出合った“アルデン”のブーツ。

森島 久
ALDEN 405 Indy Boot

『BONCOURA(ボンクラ)』はデニムを中心に、生地からこだわった服づくりを行う日本のブランド。今や世界的にも定評のある日本のデニム。オリジナルに忠実なものづくりを行うブランドも多いが、この『ボンクラ』は、モノとしてのクオリティは過去のプロダクトのそれを再現しつつも、決してレトロスペクティヴになりすぎない、適度なバランス感が魅力だ。それは、デザイナーの森島久氏が、稀代の服好きであることに起因するのかもしれない。

「大阪のアメリカ村に行き始めたのは小学5年生の時。サーファー全盛の当時に、安いからストレートデニムを探して、偶然ダブルエックスを見つけたりしていました。もちろんその価値がわかるのはずっと後になりますが。以来45年間、ずっと自分のために古着を買い続けてきました」

 そうして集まった服は、アメリカものに限らずヨーロッパの古着まで多岐に渡るそう。そして40代で独立し服づくりをスタートする際に、その購買遍歴が大いに活きたのは言うまでもない。多くの服を見、着用することで結果的に鍛えられ研ぎ澄まされた感性、という点で。

 そんな森島氏が未だ履き続けている靴として挙げたのは、オールデンの「インディ・ブーツ」。コレクテッドレザー調の質感の革に、キャンバスライニング、Aの文字を組み合わせた旧ロゴという今のものとは全く異なる仕様、そして雰囲気を備えている。

「1980年代初頭に、アメリカ東海岸の田舎町で偶然見つけたんです。高校1年生ぐらいだったでしょうか。レッド・ウィングやチペワのようなブーツが人気でしたが、こっちの方がいいなと思ったんですね。当時は〝アルデン〟と呼んでました」

 大仰になりすぎない、道具らしい表情を備えたこのブーツは、森島氏の美意識をよく表しているとともに、彼の幸運を象徴しているようにも感じられた。

Hisashi Morishima
『BONCOURA(ボンクラ)』デザイナー。ユニークなブランド名はフランス語の「BON COURAGE(ボンクラージュ=がんばれ)」と、日本語の「ぼんくら(信念を押し通す、愛すべき馬鹿人間)」のダブルミーニングという。服好きたちも唸る、デニムを中心としたラギッドなカジュアルウェアを提案している。
https://boncoura.jp


photographs_Satoko Imazu
○雑誌『LAST』 issue.18 『達人たちの「持続性」ある靴。/ 森島久』より抜粋。

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