ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Jodhpur Boots
ジョッパーズ
靴前部と後部に分かれたパーツをストラップで締めるスタイルのブーツ。もともとは19世紀、北インドの盛装だったものを範として乗馬用に仕立てられたトラウザーズに合わせる靴としてつくられた。その名称は前述の装いを考案したインドの王族に由来している。エキュストリアン(乗馬)の雰囲気が色濃いスタイルで、独特のエレガント感があるのが特徴。またチェルシーブーツ同様、ブロッキングなど製法上の高い技術も求められる。
1. ストラップの形はつくり手の特徴。
ふたつの甲革を締めるためのストラップの形状は、各シューズメーカーによっていくつかバリエーションがある。現代においてはフィット感を追求するというよりは、このスタイルにおけるデザイン要素である。
2. 甲部の稜線は重要な機能。
本来は乗馬用の靴のため、足のホールド感が重要な要素だった。そのため、甲部から履き口にかけて横から見て足なりの稜線になっていて、これを実現するためにブロッキングなどの製靴技術が求められる。
Schnieder Boots
Jodhpur
ブラックカラーのジョッパーブーツ。乗馬靴ブランドのこの靴は、より品質を追求しソールを日本で縫製している。
¥160,000(シュナイダー ブーツ/ユニオン ワークス渋谷 tel.03-5458-2484)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。