サステイナブルな革靴、を選んでみる。
Calmanthology A918 LONG WING TIP

サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?

Calmanthology カルマンソロジー
A918 LONG WING TIP

日本発の、しっかりとつくられた既製靴。

 2018年よりスタートした、日本のシューズブランド『カルマンソロジー』。メンズシューズにおけるクラシックなスタイルやディテールを、現代の装いにフィットするようにモディファイ、またはリミックスしたデザインが特徴だ。アメリカンな靴の典型でもある、踵にまで伸びたウィングキャップを持つロングウィングスタイルと、往年のアウトドアブーツやワークブーツなどでみられた多層なソールコンストラクションを組み合わせたこの靴は、まさにブランドのスタンスを表現している。

ラバーのアウトソールをブレイク製法でグッドイヤーウェルテッドのソールに縫製したそのつくりは、クラシックな雰囲気を備えながら、堅牢性と、使い勝手を兼ね備えている。スマートラウンドなラスト1508や、レースステイとの関係性を吟味したウィング部のラインなど、日本の靴らしい、繊細なデザイン感覚が随所に盛り込まれ、結果独特な存在感を生んでいる。まだ新しいブランドだが、この靴、そして同ブランドの姿勢には持続性を感じさせる。

SIDE
横から見るとソールのボリューム感がよくわかる。モードな着こなしと組み合わせても、十分な量感で馴染みやすい。またソールのつま先部にはスチールが配されている。
ABOVE
やや内振りなシェイプを持つ、スマートラウンドトウの木型 1505を採用。インサイド(足の内側)ストレートな木型形状は、良好なフィッティングを生むといわれている。

photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。

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