いま、紐靴はこう履きたい|草野健一

RUSSELL MOCCASIN|Moccasin

ゆったりとしたサイズ感にはラフに履けるモカシンを。

 京都・東山丸太町界隈。大学などにも近いこのあたりは、カフェやレストランなどが点在し、学生街らしい自由な感性を感じさせるのが魅力だ。昨年このエリアに拠点を移したウェアブランド『ケネス・フィールド』のデザイナー、草野健一さん。写真はちょうど神社脇で開催していた野菜市の前で撮影した。

『ケネス・フィールド』の人気アイテムであるグルカパンツ。今季はより幅をワイドに、ウォッシュ加工したライトウェイトのデニム素材を使ったものが登場している。その上に合わせるのは、シェットランドツイードを思わせる、軽い質感が特徴の生地を使った2つボタンのジャケット。ヒップまで隠れるような長めの着丈と、わずかに胴回りを絞ったイージーフィットが、70〜80年代あたりのアメリカンスタイルを連想させる。そこに合わせる紐靴は『ラッセルモカシン』のモックトウ。「あえて手入れしない、が気分」と草野さん。

グレーグラデーションのハウンズトゥース柄、ツィーディな2Bジャケットは、ゆったりとしたサイズ感が新鮮。ユーズド感あるデニム素材のグルカパンツと相性がいい。いずれも『ケネス・フィールド』のもの。『ブルックス・ブラザーズ』のBDシャツはボタンを外し、『ケネス・フィールド』のカシミアニットタイを緩く結んで。足元はオックスブラッドカラーの『ラッセルモカシン』。15〜16年前にアメリカにて購入したもので、グロコードソールで、タフに履ける仕様。

Kenny Kusano
草野 健一
『Kenneth Field』デザイナー。トラディショナルスタイルを知り尽くした上での、現代のライフスタイルに合った服づくりで、日本だけでなく海外からも評価が高い。近年拠点を京都に移し、趣味のフライフィッシングにもより力が入っている様子。


photographs_Satoko Imazu
text_Yukihiro Sugarawa
○雑誌『LAST』isuue.19 「いま、紐靴はこう履きたい|山本裕平」より抜粋。