GAZIANO & GIRLING|Isham
職人らしい、控えめでダウントーンな質感。
大阪・船場のヴィンテージビルに拠点を構えるシューシャイン『THE WAY THINGSGO(TWTG)』の代表を務める石見豪さん。同店を訪れるたび、日本一の確かな靴磨きの技術とともに、スタッフたちが常にテーラードなスタイルに身を包んでいることが印象に残る。
「今日着ているのはグレーフランネルのスリーピース。オリジナルの型紙を使って、確かな技術で定評ある大阪の工房で縫ったものです」 と石見さん。スーツは基本的にグレー系か紺系。写真のようにドライな質感の生地が多いという。
「艶のある生地だと、ビジネスマン感が出てきますよね。職人が着るスーツは、多少土くさい感じがいいと思っているんです」
靴は『ガジアーノ&ガーリング』のグレーカラー「アイシャム」が選ばれていた。顧客の靴こそが主役、という靴磨き職人らしいアンダーステイトな心構えが感じられる。
国の有形文化財にも指定されている「船場ビルディング」の回廊にて撮影。石見さんが名手にパターンを依頼してつくったスーツは、どこか力が抜けてリラックスした雰囲気。ベレーなどとも相性が良い。タブカラーのシャツはグレーフランネルにあわせてグリーンのキャンディストライプが配されたオックスフォード地。同ブランドの中でもオーセンティックな木型「GG06」を使った『GAZIANO & GIRLING』の「ISHAM」はグレーのフェイド&アンティーク仕上げで、グレイッシュな雰囲気を完結させるとともに、エプロンフロントダービーのスタイルが適度なカジュアル感をもたらしている。
Gou Ishimi
石見 豪
大阪と東京に店舗を構える靴磨き店『THE WAY THINGS GO』代表。第1回靴磨き日本選手権優勝。その靴磨きのノウハウを反映した、スタイリッシュなシューズケアグッズも高い人気を博している。
photographs_Satoko Imazu
text_Yukihiro Sugarawa
○雑誌『LAST』isuue.19 「いま、紐靴はこう履きたい|山本裕平」より抜粋。