ジェイエムウエストンの手がけるサステナブル&アートプロジェクト「ウエストン・ヴィンテージ」とは

『ジェイエムウエストン』の行う「ウエストン・ヴィンテージ」プロジェクト。サステナブルの観点にとどまらず、〝再生するアート〞として昇華された本プロジェクトに注目だ。

長年靴と付き合い、靴の修理を手がけてきた『ジェイエムウエストン』が問いかける、「靴の再生」という新たな道

世界に数多のシューズブランドがあれど、ジェイエムウエストンほど修理体制が充実しているブランドは数えるほどしかない。拠点であるフランス・リモージュの工場には修理工房を併設していて、世界中から届くユーザーの靴を修理、再生し続けている。その数は年間で約1万足。これはフランス国内でもトップクラスの数だという。今、世界のファッション業界はサステナブル一色だが、同社は「足の靴を長く履き続けることがもっとも環境に優しい」という信念を持ち、自然なスタンスで環境問題に取り組んできたのだ。

2020パリ・メンズコレクションにて発表された「ウエストン・ヴィンテージ」

2020年1月、ジェイエムウエストンは新プロジェクト「ウエストン・ヴィンテージ」を立ち上げた。役目を終えた自社のシューズを回収し、リモージュの工場で修復して、新たな命を吹き込む……。ただ単に修理するのではなく、アーティスティック・ イメージ&カルチャー・ディレクターのオリヴィエ・サイヤールの感性と職人の技術を駆使し、全く新しいものに再構築するという取り組みだ。最高経営責任者のティエリー・オリエは「限られた資源を再利用するサーキュラー・エコノミーを活性化するとともに、ブランドを代表するシューズを次の世代に引き渡す役割を担うことを期待している」と話す。

2020年1月のメンズコレクション期間中には、同プロジェクトの発表を兼ねたプレゼンテーションをサントノーレ店で開催。「D’un Pas l’ Autre」(未来への一歩) をテーマにした小さなランウェイショーを披露するとともに、 27足のウエストン・ヴィンテージを一同に展示した。

パリ・サントノーレ店で開催されたインスタレーションの様子。店の前では、70年代のフランスのスーパーカー、シトロエン SM が華を添えていた。
アーティスティック・ イメージ&カルチャー・ディレクターのオリヴィエ・サイヤール。彼が就任してから、ウエストンはよりスノッブ&現代的に進化を遂げている。

オリヴィエの遊び心と職人の技が融合した27足(【1番】〜【27番】)の旧くて新しい靴は、どれも負けず劣らず魅力的。作品にはひとつずつ名前が付けられているのも面白い。残念ながら日本では発売されない【1番】の“ラルフ・シ モンズ”は、ライトブラウンのウイングチップの紐の部分に、モードなブラックのバックルストラップを巻いたユニークな1足。ラルフローレンとラフ・シモンズの世界観をウエストンで融合したというわけだ。

日本未発売の【4番】“ABOUT DE SOI”は、180 ローファーに大きなタッセルをデコレーション!
“ジャーナリストシューズ”と呼ばれ、愛用者も多い銘品 「ゴルフ」。通常はラバーソールだが、こちらはレザーのトリプルソールに変更。ぐっとモダンな雰囲気に変身している。¥66,000

「ウエストン・ヴィンテージ」日本で発売される4モデル

ここからは、日本市場に割り当てられる4足を紹介しよう。【9番】の“ストーミー・レザー”は、タッセルロー ファーのタッセルを大きくした遊び心に溢れる作品。 【14番】の“TO TELL THE TRUTH, I’M A LIAR”は、踵からつま先にかけて色がブラウンからブラックへ色が変化するストレートチップだ。 【18番】の“アーバン・サイクリスト”は、パーフォレーショ ンを施した2色のキルトを飾ったウイングチップ。【21番】の“HEDI SAI NT DIOR”は、水玉のパーフォレー ションが施されたチェルシーブーツで、作品と名前のマッチングが完璧すぎて思わずにニヤけてしまった。 これらは単なるサステナブルな取り組みではなく、オリヴィエ作の〝再生するアート〞でもあるのだ、と膝を打った。

「詞的でスタイリッシュな方法で、クラフツマンシップと環境保全への思い入れを表現したかったんだ。過去と現代が融合したヴィンテージ・ コレクションの製作は本当に楽しかったし、ブランドが担う責任の重さを深く考えるキッカケになったよ」と話すオリヴィエ。前述のように、27足のうち日本への割り当ては4足のみで、青山店で発売。この素敵なヴィンテージ・ウエストンの〝シンデレラ〞になりたい諸兄は、くれぐれもお見逃しなく。

【9番】“ストーミー・レザー”。歩くたびにタッセルが揺れる。¥154,000。
【14番】“TO TELL THE TRUTH, I’M A LIAR”は、グラデーション好きなら必見。¥154,000。
【18番】“アーバン・サイクリスト”は、2色のキルトでサイクリングシューズのニュアンスを表現。¥154,000。
【21番】の“HEDI SAINT DIOR”。大胆なパーフォレーションは、ソックスによって表情が変化する。¥154,000。

text_Kaijiro Masuda
photographs_Takao Ohta

information contact
ジェイエムウエストン 青山
tel:03-5485-0306

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