1900年前半 アメリカンプロダクトを愛する人々に高く評価されたレッド・ウィング
米国ミネソタで1905年に創業したレッド・ウィング。当時はワークやハンティングといった用途の靴においても革底や薄いラバーソールが採用され、スマートなトウシェイプで、現代から見るとドレス系の靴やブーツに近かった。
また自動車が普及し始める1930年代までは道路も未舗装が多く、普段履きの靴として6インチ丈のものが着用され、その丈までは「シューズ」と呼ばれていたという。こうした時代の靴には、今日のドレスシューズとワークブーツの中間に位置するような独特の個性があり、アメリカンプロダクトを愛する人たちの間では高く評価されていた。
ルーツから着想を得たクラシックドレス・ライン「キャバリー・チャッカ」
レッド・ウィングの「クラシックドレス・ライン」は同社のルーツともいえるそうした靴のあり方やテイストを、現代のラストや素材などを使って形にしたもの。
2015年春より展開されている 「キャバリー・チャッカ」も、1906年のカタログ中にある6インチ丈のダービーブーツから着想し、ポストマンシューズに使われる210番木型を使用して具体化された。アッパーに使われた、ヘファーハイド (若い未経産の牝牛の原皮)の銀面をレジンで固めた 「エスカイヤ」レザーは、履き込むほどに大きなシワを生み、古き佳き時代のアメリカンシューズの雰囲気を再現している。2017年にはワックスの効いたアニリン仕上げの「フェザーストーン」レザーを使ったモデルも登場し、エスカイヤレザーのモデルとはまた違ったアメリカンなテイストが楽しめそうだ。
レッド・ウィング ショップスタッフに聞いたクラシックドレスの着こなし方
レッド・ウィング・シュー・ストア東京青山のマネージャー 福田大輔さん(写真右)はシガーカラーのエスカイヤレザーを使ったキャバリー・チャッカに後染めストレッチパンツ&ニットの装い。「レッド・ウィングだからこそ、あまり囚われず履いて欲しい」とのこと。一方スタッフの松浦佳和さん(左)はブラックエスカイヤレザーのオックスフォードに、ワークウェア調のシャツ&デニムをセレクト。「ダメージの少ないデニムのほうがこの革に合わせやすいと思います」。
photographs_Takao Ohta
〇 雑誌『LAST』 issue.12 より
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レッド・ウィング・ジャパン
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