『ECCO(エコー)』 自社製造の革「エコーレザー」の開発力

快適でスタイリッシュなシューズを手がける『エコー』。その品質への追求の一環が自社タンナー「エコーレザー」の存在。イベントそして代表者の発言から見えたのは、物づくりへの真摯な姿勢だった。

『エコー』のフットウェアを支える、自社タンナー「エコーレザー」の品質。

SOFT 8
ECCOの春夏のスニーカー。アッパーに使ったシュリンクレザーのクオリティを活かす、ミニマル& シンプルなデザイン。ソールはダイレクト・インジェクション製法で、人間工学に基づいた木型のフォルムをしっかりと反映している。上より時計まわりに、ハイカットレースアップ ¥28,000、ローカットレースアップ ¥26,000、同じくローカットレースアップ ¥26,000、ローカットベルクロ ¥27,000。

デンマーク発のシューズブランド『ECCO(エコー)』。コンフォートな履き心地とコンテンポラリーなデザインのフットウェアで世界的に知られる同ブランドだが、靴の素材であるレザーを自社で生産していることは意外に知られていない。

革の製造を行う「ECCO LEATHER(エコーレザー)」はオランダをはじめ世界に4つのファクトリーを持ち、自社製品向けはもちろん、2008年からは外部へのレザー供給も行なっている。身近な一例を挙げるなら 、アップルウォッチのベルトの革には、エコーレザーが使われているという。近年ではデザイナーズブランドと協業し、インディゴ染めのレザーや温度で色が変わるレザーなど、斬新な製品を開発し、その創造性とクオリティは高く評価されている。

古くから革の産地だったオランダ・ドンヘンにあるエコーレザーのファクトリー。大型のドラムが並ぶ大規模な工場では、牛やキャメル(ラクダ)、ヤクといったさまざま原皮が扱われている。
またファクトリーの2階にはデザイン・スタジオ「オープン・サークル・ラボ」があり、随時試作を重ねながら、斬新な革が研究・開発されている。
色も質感も多種多様な革が棚に並ぶさまは、そうしたファクトリーの実態を物語っているようだ。
パノス・ミタノス
エコーレザー代表兼エコー上級副社長。ギリシャの、1832年設立のタンナーの家に生まれ、幼い頃から革に親しむ。20代よりエコーで働き、2001年のオランダ工場設立から現職。デザイン・スタジオを設立し、クリエイ ターとのワークショップ「ホット・ショップ」を企画するなど、エコーレザーを担う存在だ。

2017年3月末に銀座三越で開催された「エコーレザーファクトリー プチ」はそうしたエコーレザーの実像を知らしめるべく、まさに「小さな工場」を再現したイベントであった。前述のスペシャルな革の展示や製作実演のほか、エコーレザーを使った革製品をつくるDIYワークショップも開催され、多くの来場者が視覚だけでなく触覚を通じてその品質に触れることができた。このイベントにあわせ来日したエコーレザー代表のパノス・ミタノス氏は、エコーの靴にとってプレミアムレザーが最重要であり、ゆえに自社でレザーづくりまで一括運営・管理を行なっていると語る。そして「今後は革と異素材を掛け合わせ、全く新しいレザーを生み出したいと考えています」と話す。新しいレザーを使った新世代のフットウェアが登場するのも、そう遠い将来ではないはずだ 。

「ECCO LEATHER FACTORY PETIT」開催を振り返り

2017年3月29日から4月4日まで銀座三越を会場に開催された「エコー レザーファクトリー プチ」。日本とデンマークの外交関係樹立150周年記念の一環でもあり、初日にはデンマーク大使夫妻(写真右)も来場した。会場では白のレザースニーカーをその場でインディゴ染めする実演や、温度で色が変化する(!)革「KROMATAFOR™(クロマタファー)」 のデモンストレーションが行われた。またエコーレザーを使って、来日した工場の職人たちとともにトートバッグなどレザーグッズをつくるDIYイベントも連日開催され人気を博していた。

2017年に銀座三越を会場に開催された「エコー レザーファクトリー プチ」
白のレザースニーカーをその場でインディゴ染めする実演や、温度で色が変化する革「KROMATAFOR™(クロマタファー)」のデモンストレーション。

photographs_Takao Ohta

information contact
エコー・ジャパン
tel:0120-974-010


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