大阪の靴磨き店『THE WAY THINGS GO』を訪ねて。

⑦水性クリーナーを使って、先の作業でワックスのロウ分がきちんと落とせているか確認をする。水性クリーナーをさっとかけると、落ちていないところがピカッと光るという。

⑧7で使った水性クリーナーで、こんどはクリームを入れている部分を拭きあげていく。クリームのところは水性クリーナーで十分とのこと。ワックスで磨いた部分とは分けてケアをする。

順番が前後したが、紐を外して拭く。このようにタンが落ちるものは紐を全て外したが、タンの片側が縫われているものはカンヌキ保護の意味もあり、紐を全て外さないほうがいい。

ケアのために塗るクリームは、TWTGではブリフトアッシュのクリームを使っている。顔料を使ったクリームが多い中、このクリームは染料使用で、靴の 色味を大きく変えず、表面が硬化しにくいという。

⑪ブリフトアッシュのクリームは乳液と似た柔らかさがあり、布やブラシを使うとそれ自体が液剤を吸いとってしまう。なので指に直につけて靴の表面に塗り、クリームを革に入れていく。

⑫指でクリームを靴全体にまんべんなく塗っていく。ただ、シワがある部分などはたっぷりと塗り、その後でブラシをかけることで、革にしっかりと入っていくという。

⑬クリームを全体に入れたら、豚毛のブラシでブラッシング。これもブラシを横向きに広い面を使い、効率よく。シワのあるヴァンプ部分はしっかり横方向に。ウエストを攻めている靴はそこもしっかりと。

⑭ブラッシングの後は先ほどの布のきれいな面を使って全体的に乾拭き。革に入りきらなかったクリームを拭きあげる。

⑮乾拭きするとこのぐらい残ったクリームが取れる。この時点で靴の表面は自然な艶が出た状態。ここまでは通常2週間に1回ぐらい行ったほうがいいケアのプロセスと石見氏。

コバ部分のケアは、色づきのいいワックスを塗ることで十分という。コバインキなどは、塗ったまま放置しておくと表面が硬化して、ガサガサした質感になりがちなので扱いが難しいそう。

⑰ちなみにレザーソールに関しては、アッパーを磨く時に、ニュートラルのクリームなどでいいので塗っておくいいとも。保湿することで弾力が生まれ、革底が長持ちする。

⑱ここから、ワックスを使った鏡面仕上げのプロセス。 鏡面仕上げというと、ワックスを重ねていくイメージだが、TWTGではワックス層を「こねる」イメージという。まずはこのぐらいの量をとる。

⑲1回目はまんべんなく、トウカウンターが入っている部分に伸ばしていく。その後で、トウ部を両サイド、上面、先端と4つのパートにわけて、それぞれ指を立てるように塗り込んでいく。

⑳サイドにワックスを入れている様子。一箇所に集中しすぎないで、4つのブロックにまんべんなく入れる。指が滑らない場合は、ワックスが硬いか、力が 足りないと石見氏。

㉑先端部分にワックスを入れている様子。一番先端はとくにしっかりと重ねていく。この流れをワンセットとして、5~10セット繰り返す。そうすることで鏡面磨きの下地ができる。

㉒コバ部分との境目はこのように指を入れて伸ばしていくように。石見氏の場合は指の触感でどこにワックスが入っていないかを感じ取りながら作業しているという。

タイトルとURLをコピーしました