トレンドを追わない人にとっても、男性ならば意外に気になるのが靴とパンツのコーディネイトではないか。そこで「時代の基本」を常に見据える達人に、いまどきの革靴とパンツの選び方を考えた。
「パンツの幅や靴との関係」や「いま有効な革靴のスタイリング」をファッションディレクター&スタイリスト森岡 弘氏が分かりやすく解説。
お話を伺った人
森岡 弘(もりおか ひろし) ファッションディレクター&スタイリスト
男性ファッション誌『メンズクラブ』編集部でファッションエディターを務めたのち独立。雑誌などのほか著名人のスタイリング、ブランドのディレクションなど活動は多彩。『男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない』(講談社)ほか著書も多数。
【Slim Pants(スリムパンツ)】
ファッション感覚が鋭い人はワイドパンツに移行しつつあるが、スリムなパンツはまだまだ人気、と森岡氏。今ならば裾幅は19センチを中心に前後1 センチで、パンツ丈はジャストレングスかハーフクッションがお薦めという。その際合わせる靴はあまりゴツくない、フォルムがきれいなものがいいそう。また靴下はあえて遊んだ色柄か、またはちょっと肉厚の白ソックスなどでアクセントをつけて。
【Wide Pants(ワイドパンツ)】
トレンドを加味した着こなしとして、森岡氏が挙げるのがワイドパンツ。ワンプリーツ(ワンタック)のものが多い。従来に比べ分量感のあるパンツには、ソールが厚かったり、コバがしっかりとした重量感ある靴が相性がいいという。裾幅は22センチより広く、丈は短めの着こなしもあるが、短足に見えがちなのでワンクッション程度が大人には気楽な丈感だそう。ソックスはパンツの色に馴染む色彩のスモーキートーンを。
【Corduroy(コーデュロイ)×Chukka Boots(チャッカブーツ)】
注目はスエード素材の靴。特に今季はトラッド的ではない黒が新鮮と森岡氏。素材感の相性がいいコーデュロイのパンツと、ソックスにはあえて大人っぽい色柄遊びを。
【Draw Code(ドローコード)×Sneakers(スニーカー)】
スポーティは時代のキーワードで、リラックス感や抜け感に通じるそう。ドローコードの上品なパンツにレザースニーカー、ソックスはくすみ感あるホワイトカラーで。
【Check Pants(チェックパンツ)×Bit Loafer(ビットローファー)】
フレンチアイビー、かつて「BCBG」といわれたスタイルがいままた注目。チェックパンツにビットローファー、アーガイルのソックスを合わせてトラッドの要素を遊ぶ感覚。
photographs_Takao Ohta, styling_Tomohiro Saito
〇 雑誌『LAST』 issue.17 より