愛用の靴、愛着の靴。⑧-「SUPER 8 SHOES」店主 堀口崇氏が惚れ込む一足。

LAST誌が靴の達人と考える方々に、愛着ある、または愛用している靴を挙げていただく、シリーズ企画の第8回目にご出演いただくのは、東京でアメリカのヴィンテージシューズ専門店を営むオーナーの堀口崇さん。ヴィンテージシューズ愛が培った深い知見をご披露いただいた。

左上/堀口さんが“革靴業界の501”と惚れ込む『フローシャイム』の「ケンムーア」。右上/1876年創業のオーソペディックシューズブランド『ライト』。右下/目の細かな出し縫い、グラマラスなシルエットが美しい40~50年代の『フローシャイム』。左下/ 1900年代初頭、ニューイングランド・エリアでもっとも大きかったシューメーカーのひとつ『ダグラス』。

愛してやまないアメリカのヴィンテージシューズたち。「スーパー8シューズ」オーナー 堀口崇氏が選ぶ革靴。

アメリカのヴィンテージシューズ専門を謳う「スーパー8シューズ」のオーナー、堀口崇さんが極め付きの一足に選んだのは一昨年立ち上げた『フレンドリー』。ヴィンテージで培った知見を総動員したそのオリジナルは早くも目利きを唸らせている。

「このスリップオンは最新作。意外に思われるかも知れませんが、ホールカットもまたフィフティーズを代表する靴種なんです。コンチネンタルスタイルの影響を受けたようで、当時の主要メーカーならたいがいつくっていました。その史実は残って いるのに、ユーズド&デッド市場にはめったに出てこない。そういうつくって意味のある靴をラインナップしているのが『フレンドリー』です」

まだ『フレンドリー』の仲間入りをしていないアメリカ靴界の大物が、スペクテイターシューズ。「コンビは50年代が主流で、タマ数が少ない。出物があればつい財布の紐を緩めてしまいますね」シュークローゼットに並ぶ40〜50足のうち、10足近くがコンビというからかなりの割合だ。コンビには靴の醍醐味がある、という。

「もともとスポーツシューズだった出自もあると思うんですが、躍動感にあふれています。ぼくをこの世界に引きずり込んだ靴でした」

アメリカからみたイタリアン・ファッションの堀口流。『H BAR C』のデニムシャツ&極太のストライプパンツ(スタイリストジャパン)の足元に合わせたのは、フィフティーズを代表するホールカットだ。価格は¥44,000(税込)。

Takashi Horiguchi(堀口崇) プロフィール
1972年茨城県生まれ。大学卒業と同時に渋谷の古着屋「TEX」で働き始める。2009年、ヴィンテージシューズのオンラインストア「SUPER 8 SHOES」を開設。2015年、実店舗を東京・千駄ヶ谷にオープン。2019年、オリジナルブランドの『フレンドリー』を立ち上げる。

photographs_Yoshihiro Tsuruoka, text_Kei Takegawa
〇 雑誌『LAST』 issue.20 より


タイトルとURLをコピーしました