ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Whole Cut
ホール カット
アッパー(靴上部の革)を、ほぼひとつのパーツで構成したスタイル。ワンピースとも呼ばれる。他のスタイルよりも、均質で大きな面積の革が必要になるのと、つり込みなど靴をつくる際に繊細な技術が求められることから、クラフツマンシップ色濃い、ラグジュアリーな靴として捉えられている。古くから存在していたスタイルだったが、ベルルッティにおけるこのスタイルの靴の成功で、その存在が一気に知られ、広がることになった。
1. アッパーは一枚革。
靴上部のパーツは、タン(シューレース内側)の部分を除いてひとつのパーツで構成されている。革の品質が問われるとともに、木型に沿わせて美しくつり込むことなど、高い製靴技術が求められる。
2. ドレスかカジュアルか。
スタイルはオックスフォードの範疇だが、他のオックスフォードの靴に比して、クラシック性やフォーマル性は強いとはいえない。例えばスーツの着こなしに適度なカジュアル感や抜け感を盛り込むときに活躍しそうだ。
Berluti
Alessandro
独自のパティーヌで深みのあるネロ(ブラック)カラーに仕上げられた同ブランドを代表するモデル。
¥249,000(ベルルッティ/ベルルッティ・インフォメーション・デスク tel.0120-203-718)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。