『トレーディングポスト ラギットストア』現代のメンズファッション傾向を見据えてリニューアルオープン

狭い店内に所狭しと並べられたブーツや靴。一部什器は1991 年の渋谷店開店当時から使用しているという。

先日リニューアルオープンした『トレーディングポスト ラギットストア』。店内にはブーツを中心に、武骨な印象の靴が並んでいる。往年の『トレーディングポスト』を知る人にとって、その最古の店だった渋谷に再びラギッドな靴が揃うことは感慨深い。それは同店の源流に回帰することでもある。

リニューアルオープンした渋谷区神宮前『TRADING POST RUGGED STORE』。ショップが持つレガシーへの回帰でもある。

「実は私はそのことを知らなかったのです。ただルーツを知ってからは継承する意味で、当時のロゴマークなどを使っています」と語るのは、店長の一戸雅也さん。彼は昨今の革靴をめぐる状況を踏まえ、店舗を企画した。それはカントリー系、ミリタリー系、ワーク系をひとつの空間にまとめるというものだった。

トレーディングポスト ラギットストア 渋谷店店長 一戸雅也さん
もともとは『トレーディングポスト』の顧客だった一戸さん。2015 年よりトレーディンポストグ横浜店に勤務し、銀座店店長などを経て現職。一戸さん自身靴をしっかりと履き込むタイプで、そういう靴のかっこよさを提案できる店にしたいと語る。

「国やテイストが違う靴を、一緒に扱うことへの戸惑いもありました。ただ私としては、食べることや喜怒哀楽は世界共通なわけで、どんな場面でも自分らしくいられる一足を提供することが大切だと思ったのです」と一戸氏。店に置かれた履き込まれた靴は、そんな彼のスピリットを端的に表している。

ミリタリー系としては、『サンダース』を取り扱っている。
『クロケット&ジョーンズ』など『トレーディングポスト』でおなじみのブランドも、この店独自のセレクトになっている。
『トレーディングポスト』オリジナルシューズのハーフソックには、『トレーディングポスト』創業当時に使われていた、ウインドミルのマークとロゴが採用されている。
「トレーディングポスト ラギットストア」で新たに取り扱いがスタートした、東京・浅草のブランド『ローリングダブトリオ』と『ブラザーブリッジ』。
「トレーディングポスト ラギットストア」のサイン。ウインドミルのマークは『トレーディングポスト』創業時のものを引き継いでいる。

トレーディングポスト ラギットストア
住所:東京都渋谷区神宮前6-19-17 ペリエ神宮前1F
電話:03-3407-0689 
営業:11:30~20:00 不定休

『トレーディングポスト ラギットストア』の限定オリジナルシューズ。

PATH
ファクトリーに残っていた往年の木型をベースに、土踏まずの絞りや踵のフィッティングを改良した木型を使用。アッパーは国産の撥水レザー、ソールには台湾のソールメーカー『Dr.Sole』の「Supergrip」を採用している。¥61,600
TERRA
いわゆる「ジャーナリストシューズ」と呼ばれる靴をイメージした、エプロンフロント(モックトウ)ダービー。アッパーは「ロータスカーフ」、ソールは『Dr. Sole』の「TUMAZ(ツキノワグマの意)」ラグソールを使用。ソールのV字のところは熊の首元を象っている。¥63,800
LAND
30 年前の木型を改良した木型を使用。往年のサービスシューズをイメージしたギブソンスタイル。アッパーには国産の撥水レザー「ロータスカーフ」、ソールは『Dr. Sole』のコルクを練りこんだラバーソールを使っている。¥61,600

〇 LAST issue.23より
photographs_Takao Ohta

タイトルとURLをコピーしました