ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Tassel Slip On (Moccasin)
タッセルスリップオン(モカシン)
ヴァンプ部にタッセル(房飾り)を配したスタイルを指す。タッセル自体はヘブライ語聖書にも登場するほど歴史は古く、地位や学位などを表象するものとされ、靴のレースエンドなどにあしらわれてきた。現在のスタイルは、俳優のポール・ルーカスの「タッセル付きの靴」という依頼によりオールデンが1950年代初頭に考案したものといわれる。ブルックスブラザーズが1957年よりオールデン製の同モデルを取り扱い、広く知られることになった。
1. プレッピーの定番として。
プレッピースタイル、日本ではアイビーとも称される米国名門私立学校の学生&卒業生の装いには、タッセルモカシンが多く見受けられた。その延長で、ローヤー(弁護士)の靴と呼ばれることもある。
2. 現在では仕様もさまざま。
オールデンが産み出したオリジナルから発展して、現在ではトップライン(履き口)を囲む革紐を省略したものや、逆に編んだ紐を配した装飾性の高いものなど、さまざまなタッセルスリップオンが登場している。
Alden
563
「No.8」と呼ばれるバーカンディーカラーのシェルコードヴァンを使ったタッセルモカシン。大きめのタッセルが特徴。アバディーンラスト。
¥124,000(オールデン/ラコタ tel.03-3545-3322)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。