知っておきたい、ドレスシューズのスタイル。【20】タッセルスリップオン(モカシン)

ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。


Tassel Slip On (Moccasin)

タッセルスリップオン(モカシン)

ヴァンプ部にタッセル(房飾り)を配したスタイルを指す。タッセル自体はヘブライ語聖書にも登場するほど歴史は古く、地位や学位などを表象するものとされ、靴のレースエンドなどにあしらわれてきた。現在のスタイルは、俳優のポール・ルーカスの「タッセル付きの靴」という依頼によりオールデンが1950年代初頭に考案したものといわれる。ブルックスブラザーズが1957年よりオールデン製の同モデルを取り扱い、広く知られることになった。

1. プレッピーの定番として。

プレッピースタイル、日本ではアイビーとも称される米国名門私立学校の学生&卒業生の装いには、タッセルモカシンが多く見受けられた。その延長で、ローヤー(弁護士)の靴と呼ばれることもある。

2. 現在では仕様もさまざま。

オールデンが産み出したオリジナルから発展して、現在ではトップライン(履き口)を囲む革紐を省略したものや、逆に編んだ紐を配した装飾性の高いものなど、さまざまなタッセルスリップオンが登場している。

Alden
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「No.8」と呼ばれるバーカンディーカラーのシェルコードヴァンを使ったタッセルモカシン。大きめのタッセルが特徴。アバディーンラスト。
¥124,000(オールデン/ラコタ tel.03-3545-3322)


photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。

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