ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Side Elastic Slip On
サイドエラスティック
シューレースを持たず、本来レースステイのある部分の両側にエアラスティック(ゴム)部を配して足へのフィット感を確保したスタイル。写真のようにゴム部に革のパーツを配して見えにくくしたものと、ゴムパーツを露出したものがある。また、ダミーのシューレースを甲部に配したものがビスポーク靴においては人気で、「レージーマン(怠け者)スリップオン」と呼ばれることもある。比較的ドレッシーな位置付けのスタイルである。
1. 日本で便利なドレスシューズ。
両サイドのエラスティックで足をホールドするこのスタイルは、シューホーン(靴べら)を使って簡単に着脱できるため、とにかく脱ぎ履きが多い日本でのライフスタイルにおいては便利な靴といえる。
2. ドレス感は意外に高い。
多くの場合エラスティックがトラウザーズのカフ(裾)に隠れるよう作られていることもあり、比較的ドレッシーな靴として認知されている。スーツやタイドアップスタイルなどに合わせて装うことができる。
Sanyo Yamacho
燕之介
スマートなスクエアトウのラストR309を使ったブラックカラー、フルブローグタイプのサイドエラスティック。エレガントな印象だ。
¥70,000(三陽山長/山陽山長 銀座店 tel.03-3563-7841)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。