知っておきたい、ドレスシューズのスタイル。【21】ローファー

ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。


Loafer (Moccasin)

ローファー

ヴァンプ部を囲うモカステッチと、甲上部のサドルストラップが特徴のスリップオンタイプのスタイル。サドルストラップには「アイ(目)」と呼ばれる切れ込みがあり、ペニー貨(1セント硬貨)を挟んだことからペニーローファーとも呼ばれる。ノルウェーの靴職人が同地の作業靴をベースにつくった靴がアメリカに渡り、その後メイン州のG・Hバス社がこのスタイルを生み出したといわれる。いまや世界で同種の靴がつくられている。

1. モカステッチがこの靴の個性。

ルーツであるノルウェーの作業靴や、アメリカ先住民のモカシンを想起させる、縫い目が際立つモカステッチがこのスタイルの最大の個性。主にエプロン部とサイド部を合わせる「拝みステッチ」となっている。

2. サドル形状にも着目。

甲部に配されたサドルストラップはその長さによってフルサドルとハーフサドルと呼ばれる。また、サドルの両端を巻いてモカシンステッチエンドに縫い付けた仕様は「ビーフロール」と呼ばれる。

3. ローファー以外の呼称も。

英国やヨーロッパにおいてはこのスタイルはモカシン、さらにはその起源から、ノルウィージャンスリップオンやノルウィージャンモカシン、またはノルウィージャンスリッパなどと呼ばれることもある。

Allen Edmonds
Kenwood
ビーフロール仕様のバーガンディーカラーのローファー。モカシン製法でつくられ、本底はマッケイ製法で縫われている。
¥45,000(アレン エドモンド/GMT tel.03-5453-0033)


photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。

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