ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Dress Loafer
ドレスローファー
ヴァンプ部を囲うモカステッチと、甲上部のサドルストラップが特徴のスリップオンタイプのスタイル。サドルストラップには「アイ(目)」と呼ばれる切れ込みがあり、ペニー貨(1セント硬貨)を挟んだことからペニーローファーとも呼ばれる。ノルウェーの靴職人が同地の作業靴をベースにつくった靴がアメリカに渡り、その後メイン州のG・Hバス社がこのスタイルを生み出したといわれる。いまや世界で同種の靴がつくられている。
1. 英国王室とローファー。
このスタイルの誕生に関わったジョージ6世の兄であり、稀代のウェルドレッサーだったウィンザー公もローファーを愛用した。公は南仏のリゾートでのスタイルに、コンビのローファーを選んでいる。
2. モカの使用は各種あり。
ドレスローファーでは、ヴァンプ部のモカステッチは控えめに配されるか、マシンステッチで、エプロン部を上から縫い付けるような形が多い。ハンドソーンによるステッチがあしらわれる場合もある。
EDWARD GREEN
MONTPELLIER
甲部に大きくとられたサドルストラップが特徴のローファー。ボーキサイトカラーのアッパーがクラシックな印象だ。
¥146,000(エドワード グリーン/エドワード グリーン 銀座店 tel.03-3573-6055)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。