ドレスシューズには、さまざまなスタイルがあり、それぞれ特色と個性がある。ここでは、知っておきたいドレスシューズのスタイルを取り上げ解説する。
Chelsea (Side Elastic) Boots
チェルシー(サイドゴア)ブーツ
履き口の両サイドに伸縮するゴム部(エラスティック、ゴア)を配したアンクル(足首を覆う)丈のブーツスタイル。その起源は19世紀、ヴィクトリア女王の靴職人が手がけたエラスティックアンクルブーツで、それは王室や乗馬関連の靴として広がった。1950〜60年代のスウィンギングロンドン、チェルシー・キングスロードに集まる若者たちがこの靴を履いていたことからその名がつき、それはビートルズの成功で世界中に広まった。
1. 見所は甲部から履き口。
他のスタイルと製法上大きく違うのが、横から見た際に甲部から履き口にかけて湾曲したラインを出すブロッキングという工程。特別な型を使ってくせづけする場合もあり、技術が求められる。
2. 素材の質も問われる。
縫い合わせなどが少ない、ミニマムなデザインであるがゆえに、アッパー各パーツも大きく、大きな面積の均質な革とそれを巧みに切り出す技術が必要とされる。滑らかな表面も職人技の結果だ。
EDWARD GREEN
NEW MARKET
スマートさが付加されたラウンドトウのラストNo.82を使ったチェルシーブーツ。アッパーの革も高品質。
¥176,000(エドワード グリーン/エドワード グリーン 銀座店 tel.03-3573-6055)
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
◯LAST issue11 特集「いま、知っておきたいドレススーズのスタイル。」より抜粋。