英国の老舗ビスポーク靴店を起源とする『ジョンロブ』。今日同ブランドを代表する存在のひとつであるダブルバックル「ウィリアム」は、ビスポーク由来のモデルである。最初の「ウィリアム」は『ジョンロブ』の2代目当主だったウィリアム・ロブ氏が、1945年にウインザー公のオーダーを受けて制作した、ダブルバックルの意匠は、アビエーターブーツ(飛行士の靴)から着想されたものという。今年は「ウィリアム」が誕生して75周年。それを記念して、さまざまなヴァリエーションの「ウィリアム」が展開されている。単一のモデルやスタイルが多彩な表情をもち、それぞれに新たな魅力を獲得していく。それは持続性の先にもたらされた発展ともいえるのではないだろうか。
[『LAST』issue.18(2020年4月)初出]
「ウィリアム」のさらなるバリエーションを展開
WILLIAM NEW STANDARD
現代の男性の装いやライフスタイルを加味した、「ニュースタンダード」な「ウィリアム」。ラストを丸みと厚みのあるラウンドトウ「0015」に変え、アンスラサイトカラーのバックルが配されている。アッパーにはマットな質感の「デューンカーフ」を使用。ミリタリー調のラストシルエットとノッチドウェルトとの組み合わせが、このスタイルが本来持っている骨太な魅力をより際立たせている。
¥188,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)
WILLIAM 98 w/Waxed Suede
グリーンカラーの、オイルをたっぷり含んだスエード(革の裏側)をアッパーに使った「ウィリアム」。オイルドコットンのコートを連想させるその質感は英国らしい。バックルはゴールドカラー、ソールはアウトステッチで縫われたオリジナルの「ミディアム・ラグ・ソール」。創業者ジョン・ロブ氏の故郷である英国コーンウォールの風土を連想させる雰囲気を備えている。ラストは「9795」。
¥188,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)
WILLIAM w/Moorland Grain
高い屈曲性を実現した同社の「テンシルコンストラクション」でよく使われている「ムアランドグレイン」レザーをアッパーに採用。ソールに厚みある「ライトウェイトウォーキングソール」を配した「ウィリアム」。アッパーのカジュアル感と軽快な履き心地の組み合わせで、さまざまなスタイルで活躍しそうだ。写真の「プルーン」の他にネイビーなど計4色展開。ラストは「9795」。
¥188,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)
WILLIAM 92
アッパーには凹凸がしっかりとついた「カントリーカーフ」を使用。さらにナチュラルカラーのステッチが配されている。シルバーカラーのパラジウムバックル、ノッチドウェルトで、ソールには「ライトウェイトウォーキングソール」を使っている。それらの組み合わせがもたらすのは、今日的かつ都会的なカントリースタイルの雰囲気だ。ラストは「9795」。
¥188,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)
WILLIAM w/Suede
アッパーにスエードレザーを使った「ウィリアム」。写真のチャコールの他に、オリーブやバーガンディといったカラーヴァリエーションを展開。ソールは「ライトウェイトウォーキングソール」でノッチドウェルト。スエードの発色が、どこかポップで軽快な存在感を生み出している。モードなスタイルとも相性が良さそうだ。ラストは「9795」。
¥188,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)
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ジョンロブのアーティスティック・ディレクターに聞く、「ウィリアム」の魅力。
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』issue18 「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。