現代のベーシックを再考する。02. Alden

ライフスタイルの変化や時代の経過の中で、変わることなく輝き放ち続ける靴。そんな現代のマスターピースをピックアップした。

Alden
664 Tassel Loafer

タッセルローファーのルーツ。

オールデンの中でも比較的細身といわれるアバディーンラストを使用。
このモデルが生まれた1950年代〜60年代は、ローファーなどカジュアルな靴が
アメリカのマーケットに多数登場し、日本ではアイビー、トラッドの文脈で広がった。

 このスタイルを既製靴として広く知らしめた担い手は、オールデン、さらにオールデンが靴づくりを担っていたブルックスブラザーズだろう。アメリカの俳優ポール・ルーカス氏は、自身がヨーロッパでオーダーしたレースエンドにタッセルがついた靴をニューヨークの靴店『Farkas & Kovacs』に持ち込み、これをもっとシンプルにした靴がつくれないかと相談した。同店は要望に合った靴を仕上げたもののフィッティングに難があり、さらにルーカス氏はN Yとビバリーヒルズの2軒の店に相談する。それらの店が制作を依頼したのがオールデン社だった。1950年にオールデンはタッセルローファーの生産を開始。その後1957年にはブルックスブラザーズが踵部にステッチを配した別注モデルを展開して、この靴はアメリカのエスタブリッシュの足元を飾る存在となった。

FRONT
REAR
EYE-LEVEL
Data
ブランドオールデン
モデルタッセルローファー
展開アッパーコードヴァン(ブラック、#8バーガンディ)
ソールグッドイヤーウェルテッド製法、レザーソール
展開サイズ5H〜11
価格¥124,000

information contact
ラコタ tel.03-3545-3322


photographs_Takao Ohta
styling_Tomohiro Saito
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』 issue.17 「現代のベーシックを再考する。」より抜粋。

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