いまや世界的にもその存在が取り沙汰される日本の職人たち。今回は比較的アクセスしやすい東京と関西を拠点としている靴職人をガイドする。
HIRO YANAGIMACHI Workshop
インターナショナルな木型、進化する靴づくり。
設立は1999年、以来山口千尋氏とともに日本のハンドメイドシューズのシーンを牽引してきた柳町弘之氏の工房『ヒロ・ヤナギマチ・ワークショップ』。現在、手がける靴の約7割が海外向けという。「海外でトランクショーをするようになって3〜4年になります。その前にパターンオーダー(Made to Order)とモディファイドオーダー(Made to Measure)のフィッティングサンプルを見直しました」と柳町氏。基本的に足の大きい欧米人に合わせた対応だが、その結果、従来の日本で使っていたラストではない「インターナショナル・ラスト」を開発することになったという。さらに先日アメリカでのトランクショーに向けて、インターナショナル・ラストをベースとしたローファー用のラストが登場。これは日本人などアジア系の足にも対応できる中間の形状を目指したという。
このように、柳町氏の靴づくりはベースのラストからつくられるものもあり、多様だ。「ビスポークに特化すると、間口が狭くなってしまいます。履く人の気持ちや足が靴よりも先にあり、それらに沿った靴づくりを目指します。さらにそれを多くの人たちとシェアし、しかも長く愛用していただくことに価値を見出しています」と柳町氏は語った。
SHOP INFO
HIRO YANAGIMACHI Workshop
価格・納期などの目安
パターンオーダー
¥250,000〜¥350,000 納期半年程度
モディファイドオーダー
¥300,000〜¥400,000(ラスト制作済みの場合は¥250,000〜¥350,000)納期半年程度
フルスクラッチオーダー
¥450,000〜(ラスト制作済みの場合は¥300,000〜¥350,000)納期1年程度、いずれも9分仕様(底付けのみマシンメイド9は5万円程度ダウンチャージ。
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-6-1 エストリル93 2F
電話:03-6383-1992
HP:http://hiroyanagimachi.com
※この特集中の価格、納期などはあくまで参考です(2019年4月時点)。素材や製法、各店の状況によって変わることもあり、オーダーをお考えの場合は各靴店にお問い合わせください。なお、表記価格は特記なき場合はすべて税抜きです。
※各店とも、基本的に要予約です。連絡先や各ホームページからご連絡ください。
photographs_Satoko Imazu
photographs_Hirotaka Hashimoto
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』issue.16 「Shoemakers in Japan 2019 靴を仕立てる。」より抜粋