いまや世界的にもその存在が取り沙汰される日本の職人たち。今回は比較的アクセスしやすい東京と関西を拠点としている靴職人をガイドする。
SPIGOLA
神戸にて、日本のビスポークを牽引して。
20代前半でイタリアに渡り、フィレンツェにて靴職人ロベルト・ウゴリーニ氏のもとで修業。日本に帰国後『スピーゴラ』をスタートして18年、現在のアトリエ兼店舗をオープンして15年という鈴木幸次氏。彼もまた、山口千尋氏や柳町弘之氏と同様に、日本のビスポークシューズの文化を担ってきたひとりだ。また、海外に日本の靴づくりを知らしめた先駆者でもある。現在も香港とニューヨークのショップ『ジ・アーモリー』ほか、複数の海外ショップでトランクショーを行なっている。「日本国内だけでやっているのと違って、人種も多彩なので、足の形状も違えば、履く感覚も違います。そんなところに不具合があるのか、と毎回驚きながらも、経験値でなんとか解決している状態です」と鈴木氏は語る。
現在『スピーゴラ』の靴づくりは、ス・ミズーラ(ビスポーク)に関しては、この工房内で行われている。工房は鈴木氏を含め4名の職人で営まれ、鈴木氏の実弟である鈴木悦男氏がアッパーのクロージングなどを担当し、鈴木氏はラストやパターンとメイキング、他の2名の職人は主にメイキングを担当している。この工房を経て独立する靴職人も多く、その靴づくりは、もはやひとつの伝統に近づいているのかもしれない。
SHOP INFO
SPIGOLA
価格・納期などの目安
ス・ミズーラ
¥380,000〜
仮縫い基本1回、納期1年〜
住所:兵庫県神戸市長田区細田町 5-2-16
電話:078-641-1343
HP:http://www.spigola.jp
※この特集中の価格、納期などはあくまで参考です(2019年4月時点)。素材や製法、各店の状況によって変わることもあり、オーダーをお考えの場合は各靴店にお問い合わせください。なお、表記価格は特記なき場合はすべて税抜きです。
※各店とも、基本的に要予約です。連絡先や各ホームページからご連絡ください。
photographs_Satoko Imazu
photographs_Hirotaka Hashimoto
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』issue.16 「Shoemakers in Japan 2019 靴を仕立てる。」より抜粋