革を熟知したゆえの、ふたつのアプローチ。ゾンタ社カーフレザーと「マトリックス」レザー。
『スコッチグレイン』は、ふたつの独特な革をアッパーに使った直営店限定モデルを2019年より展開している。
ひとつは英欧の高級紳士靴メーカーがこぞって使用するイタリア・ゾンタ社のカーフレザーを使ったモデル。豊かな表情の革は、シングルEの細身でノーズをやや抑えた木型とともに、エレガントな魅力をもたらしている。ヒールも内側に傾斜のあるアークヒールを使用して、よりドレッシーな仕上がりに。
もうひとつは「マトリックス」レザーを使ったもの。それは姫路のタンナー『山陽』との協業で、革の性質は変わらないものの表面の傷や血筋などで通常使用されない「級外」の革をあえて使い、その表面に一枚一枚ハンドカッティングを施したスペシャルマテリアルだ。
この「マトリックス」レザーを使用したアイテムとして、靴のほか、バッグやクラッチなども展開されている。その唯一無二な存在感は、サスティナブルという時代の要請に応えた、革の新たな魅力を雄弁に表現している。
photographs_Takao Ohta
〇 雑誌『LAST』 issue.17 より
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スコッチグレイン銀座本店
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