靴を仕立てる。【T・シラカシ ブートメイカー】

いまや世界的にもその存在が取り沙汰される日本の職人たち。今回は比較的アクセスしやすい東京と関西を拠点としている靴職人をガイドする。


T. Shirakashi Bootmaker

ブーツを追求した靴づくりは新たな段階へ。

WORKS
エプロンフロントのブーツ。スプリットトウでないところにビスポークらしさが感じられる。

 白樫徹哉氏はグラフィックデザイナーから一転靴づくりを志し、サルワカフットウェアカレッジで靴づくりを学んだ後、福田洋平氏に師事。2013年に独立して『テツヤシラカシ ブートメイカー』をスタートした。

 その名が表すように、カントリーブーツに特化したビスポークの靴づくりを行ってきた白樫氏。「最近は、お客様のご要望もあり、ドレスブーツやシューズ(短靴)も手がけるようになりました。長らく実際にフィールド(野外)でも使えるカントリーブーツを追求してきましたが、お客様が靴やブーツを生活の中で道具として活用する場所、それもまたフィールドであると気付かされたのです。お客様の活動の場にマッチした仕様にするよう心がけています」とその変化を語る。

 顧客の要望にあわせ、各種の靴を手がけるようになったとはいえ、主軸はやはりブーツ。当初展開していたキャップトウのダービーブーツから、写真のエプロンフロントやフルブローグなど、スタイルの幅が徐々に広がってきた。そして先日阪急メンズで行われたトランクショーでは、オックスフォード(バルモラル)のドレスブーツが登場。「ドレスブーツはシャフト部にスエードを使い、足あたりを良くするでデザインをご提案しています」とは、白樫氏らしい姿勢だ。

ラストづくりの作業を行う白樫氏。くるぶしのフィッティングなど、通常の靴づくりとは違った複雑さがある。
整然と並んだ道具類。製作姿勢が端的に表れているようだ。
先日の阪急メンズでのトランクショーで発表された、内羽根(オックスフォード)のドレスブーツ。

SHOP INFO
T. Shirakashi Bootmaker

価格・納期などの目安
フルハンドのビスポークのみ、ツリー込み
キャップトウ&パンチドキャップアンクルブーツ ¥420,000〜
エプロンフロント、セミ/クォーター/フルブローグアンクルブーツ ¥440,000〜
仮縫いは基本1回、納期約6ヶ月(受注状況より変動あり)

住所:神奈川県横浜市中区山下町25-2 インペリアルビル 504A
電話:————
HP:http://www.shirakashi.jp

※この特集中の価格、納期などはあくまで参考です(2019年4月時点)。素材や製法、各店の状況によって変わることもあり、オーダーをお考えの場合は各靴店にお問い合わせください。なお、表記価格は特記なき場合はすべて税抜きです。
※各店とも、基本的に要予約です。連絡先や各ホームページからご連絡ください。


photographs_Satoko Imazu
photographs_Hirotaka Hashimoto
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』issue.16 「Shoemakers in Japan 2019 靴を仕立てる。」より抜粋

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