靴を仕立てる。【イル・クアドリフォリオ】

いまや世界的にもその存在が取り沙汰される日本の職人たち。今回は比較的アクセスしやすい東京と関西を拠点としている靴職人をガイドする。


il Quadrifoglio

感覚を共有する職人たちのチームワーク。

WORK
「手の感じが盛り込まれたものが好きです」と語る久内氏。彼がうちらしいスタイル、と挙げたのが、編んだリボンを使ったタッセルスリップオン。

『イル・クアドリフォリオ』とはイタリア語で「四つ葉クローバー」の意。靴職人の久内淳史氏は神戸で靴づくりを学んだ後、イタリアに渡りフィレンツェのロベルト・ウゴリーニ氏に師事。3年程度の修業と靴づくり経験を経て帰国し、『イル・クアドリフォリオ』をスタートした。現在の店舗に移転して、もうすぐ3年になるという。顧客でもある空間デザイナーが手がけたというショップスペースは、広々と心地よい空間に仕上がっている。ちなみになぜか入り口付近には久内氏の愛車・ドゥカティが停められていて、「このバイクありきのお店です」と話す久内氏の言葉通り、空間によく溶け込んでいた。

 現在工房では、久内氏ほか2名の職人が作業を行なっていて、いずれもウゴリーニ氏の工房出身なのだそう。さらに工房内には『イル・クアドリフォリオ』名義の革小物を手がける妻の夕夏氏の作業スペースも設けられている。「去年ぐらいに工房のペースが出来上がった感じです」と語る久内氏。アッパー担当の女性職人、ボトム担当の男性職人、そしてラストやパターンを手がける久内氏と、共通する靴づくりのバックグラウンドを持つメンバーが揃ったことで、感覚の共有ができているということだろう。今後の展開が期待される。

ショップの外観。神戸・北野エリアにほど近いロケーション。
クロージングを担当する女性職人。彼女もロベルト・ウゴリーニ氏のところで靴づくりを学んだという。
ラックにかけられているさまざまな革素材。色合いや表情の豊かさが、『イル・クアドリフォリオ』らしさといえるだろう。

SHOP INFO
il Quadrifoglio

価格・納期などの目安
ビスポーク
¥320,000〜 仮縫い2回、納期約 1年〜14ヶ月

住所:兵庫県神戸市中央区加納町2丁目 13-6
電話:078-587-2050
HP:https://www.quadrifoglio-kobe.com

※この特集中の価格、納期などはあくまで参考です(2019年4月時点)。素材や製法、各店の状況によって変わることもあり、オーダーをお考えの場合は各靴店にお問い合わせください。なお、表記価格は特記なき場合はすべて税抜きです。
※各店とも、基本的に要予約です。連絡先や各ホームページからご連絡ください。


photographs_Satoko Imazu
photographs_Hirotaka Hashimoto
text_Yukihiro Sugawara
○雑誌『LAST』issue.16 「Shoemakers in Japan 2019 靴を仕立てる。」より抜粋

タイトルとURLをコピーしました