サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?
ALDEN オールデン
990 clipper Ox.
3ケタ品番が示す、時間に左右されないスタイル。
オールデンの靴には通常品番が付されているが、ロングランの「3桁」モデルのひとつが、このバーガンディカラーのシェル・コードヴァンをアッパーに使ったプレーントウ・ブルーチャーである。ブラックカラーになると品番は「9901」となるので、この独特な赤茶色が先行してつくられたのかもしれない。
トウからヴァンプ、踵にまで至る大きなパーツで構成されたアッパーは、革のクオリティが如実に反映されるとともに、コードヴァンの特徴でもある、履き馴染むことで屈曲部に表れる大きめの皺が映えるので、その点でも持続性の魅力があるといえるだろう。
ソールは工場でひと手間加えたダブルソール。全周のリバースウェルトとともに堅牢なボトムメイキングになっていて、それがこの靴に適度なカジュアル感をもたらしている。
使用ラストは同社で長年主軸の木型であるバリーラスト。くせのないラウンドトウの形状とプレーントウの組み合わせは、デニムからウールトラウザーズまで、幅広く対応することができる。
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。