『ECCO(エコー)』 革から靴まで、進化を続けるものづくりの現場。

in Holland
全てをオープンに
開かれた精神が
イノベーションを生む。

エコー・レザーのデザインルームの棚に並べられたレザーサンプルブック。その種類は膨大だ。

 「ECCO」のロゴは、本来閉じているはずの「O」に隙間がある。

「すべての文字が”空いて”いる、これは、エコーが外に対して常に開かれていることを象徴しています」

 こう語るのは、「エコー・レザー」社の代表兼エコー社上級副社長のパノス・ミタロス氏。その言葉通り、エコー・レザーはエコー以外との取引も多く、それは取扱量の半分に達するという。こうした外部との交流もあり、エコー・レザーは次々斬新な革を世に送り出している。熱に反応し色が変化する「クロマタファー」、極薄高強度な「ダイニーマ」、透明なレザー「アパリシオン」など、いずれも革の既成概念を軽々と超えるものだ。

エコー・レザー代表のパノス・ミタロス氏。ギリシャにて代々続くタンナーの家系に生まれ、24歳よりエコーに勤務、2000年にエコー・レザーをスタートした。

「私たちが提供しているのはイノベーションです。レザー産業というと変わり映えしない、伝統的なものと思われがちですが、それを打破するようなものをつくりたいと思っているます。ゆえに私たちは例え少ない数量でも、イノベーションを求めるデザイナーらと協業しています」

 こうしたミタロス氏の言葉は、アムステルダム郊外のタナリーの現場を見ることで、より強く実感させられた。250名のワーカーが従事するこのタナリーは、世界的にも最大級。鞣しの薬品に耐えうるようあえて木の梁(beam)を採用した「ビームハウス」内には、大型ドラムが何台も並ぶ。そしてその規模以上に特筆すべきなのが、敷地内にあるR&Dラボの存在。そこはまさに「小さなタナリー」と表現できるほど設備が揃い、鞣しや染色、加工から仕上げまで、革づくりの全工程が実験できるようになっていた。

巨大なドラムが8基並ぶ「ビームハウス」内部。
インディゴ染めの革をトグリングという手法でストレッチしている様子。こうした手作業も随所に盛り込まれている。

「私たちは日々新しい革を研究していますが、年に一度、外部の方々に向けてこのラボを開放する『HOT SHOP』というイベントを行います。そこで若いデザイナーたちから出てくる突拍子もないアイデアに、ほんとうに触発されますね」

 こう語るのは、イノベーション・スペシャリストのマキス・サッペル・グロウ氏。イノベーションを真に支えているのは、その設備以上に、人々に開かれた精神なのかもしれない。

出荷前の最終検査。色彩度を整えた光での目視と。コンピュータでの成分検査を併用している。
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