『ISETAN靴博2021』でホーウィン・レザーを大フィーチャー。その魅力とは?

日本で『ホーウィン』の革を紹介するJ・ダラス・パイルさんに聞く

アメリカ・シカゴに本社とファクトリーを持つ『ホーウィン』は、日本においては希少なコードヴァンを手がけるタンナー(製革業者)として広く知られた存在。

「確かにシェル・コードヴァンはホーウィンにとって重要なレザーですが、実は同社の革生産の大半はスポーツ関連の革なんです」。このように語るのは、日本で『ホーウィン』レザーのショールームを運営するJ・ダラス・パイルさん。

実はアメリカンフットボールやバスケットボール用の革、野球グローブの革などが、『ホーウィン』の生産量の7割を占めるそう。「そんなホーウィン・レザーの様々な顔や魅力をもっと多くの方に知っていただきたい、というのが今回のISETAN靴博でのホーウィン企画です」とダラスさん。

100年以上前から同様の製法でつくられているオイリーでタフな質感の「クロムエクセル」、珍しいマーブルカラーのシェル・コードヴァン、野球グローブに使われる「グランドスラム」といった革を使った別注モデルが展開されます。また、ダラスさんのディレクションによる個性的なシューズメーカーも、今回靴博に多数参加。ラギッドな魅力を備えたブーツやシューズと、多彩な表情のレザーとの組み合わせが実に新鮮です。

アメリカ・シカゴのタンナー『ホーウィン』の日本での窓口を務めるJ・ダラス・パイルさん。彼は長年日本にてさまざまなブランドの紹介を行ってきました。現在はカナダのシューズブランド『ヴァイバーグ』も取り扱っています。
ダラスさんのショールームのテーブルには『ホーウィン』が手がけるさまざまな革のサンプルが。最近はヴェジタブル・タンニングの革に注力しています。
ナチュラルカラーのシェル・コードヴァンと、その上に置かれたマーブルカラーのシェル・コードヴァン。今回のISETAN靴博別注モデルでも使われています。
『ホーウィン』の主力商品である、ボールやグローブなどに使うスポーツ用の革の見本。
クロムエクセル」の見本。植物タンニンを使って再鞣しした後、オイルやグリスなどを含ませたこの革は「プルアップ」レザーともいわれます。
『ホーウィン』社提供の写真より、植物タンニンの鞣し液の槽に革を浸けている様子。
シェル・コードヴァンにオイルを含ませたり、染めたりする工程は手作業が中心。
鞣しが終わった馬の尻革の裏面を削って、シェル・コードヴァンそのものである層を出す作業。この層に圧をかけ磨いて、あのしっとりとした表面が仕上がります。

ホーウィン・レザーを使ったISETAN靴博別注を一挙紹介。

Church’s(チャーチ)
ブラック&ウイスキーカラーのシェル・コードヴァンを使った、セミブローグダービー[CROMWELL]とウイングモンクストラップ[PICCADILLY]。使用ラストはクラシックなNo.73。¥181.500

CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
人気のペニーローファーの別注モデル。上はブラックカラーとダークブラウンのマーブル・シェル・コードヴァン、下は「Boxboard」プリントを型押しした#8(バーガンディ)&ウイスキーカラーのシェル・コードヴァンを使用。[Boston 2]各¥165,000

Paraboot(バラブーツ)
同ブランドの人気Uチップモデル「シャンボード」と、スプリットトウのモデル「アヴィニョン」のアッパーに#8(バーガンディカラー)のシェル・コードヴァンを使った希少モデル。ノルヴェイジャン製法、オリジナルラバーソール。各¥132,000

Enzo Bonafè(エンツォ・ボナフェ
前回の靴博でも好評だった、スプリットトウダービー。今回はヴィブラムソールを配した仕様。クラシック感とカジュアル感のバランスが個性的。ブラック&#6(ワイン)の「ハッチグレイン」使用。[BERING]¥242,000

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