靴は服との組み合わせによって、本来の美的な性格が引き出される。今季注目のアイテムと、いまどんな靴を合わせるか。達人たちの見立てを聞いた。
初回に登場いただくのは、『ビームス』クリエイティブディレクターの中村達也氏。この秋冬向けにブリティッシュアメリカンを意識したスタイリングを提案いただいた。
『ビームス』クリエイティブディレクター 中村達也氏が提案する「アイテムと合わせる靴」
Navy Blazer
styling&comment by Tastuya Nakamura(BEAMS)
〔着こなし解説〕
1.ツイード調のチェックタイにはシャンブレーのタブカラーをチョイス。制服っぽさを避けるためカジュアルなテイストをミックスしこなれた印象に。
2.ナポリのサルトリアの流れを汲むテーラリングを駆使した軽い着心地と、時代性を反映させたシルエットで近年評価が高まっているブランド。
3.ベージュカラーのコーデュロイパンツは英国っぽくサイドアジャスターですっきり見える腰周りがポイント。
4.コーデュロイのパンツはスエードとの相性が良い。ブレザーに合わせるスリップオンとしてはローファーよりもエレガントに見える。
近年のメンズクロージングのキーアイテムであるネイビーブレザー。この秋冬も引き続き装いの主軸になりそうだ。「このブレザーはサージ生地を使用した、ブレザーらしいコシのある素材感が特徴です。近年4つボタンのダブルジャケットは下掛け用のつくりも増えていますが、こちらは好みでアレンジ可能。程よいシェイプながら、適度なリラックス感も併せ持っています」。こう語るのは、『ビームス』クリエイティブディレクターの中村達也氏。この秋冬向けとして、ブリテッシュアメリカンを意識したスタイリングを提案いただいた。
さらにこのスタイルに合わせる靴として中村氏が挙げたのは、ブラウンスエードのタッセルローファー、またはブラウンスエードのチャッカブーツやサイドゴアブーツ。「パンツがコーデュロイなので、素材感の相性を考えると靴はスエードの相性が良いです。さらにクラシックなテイストがあるパンツの特性を考慮すると、短い丈は貧相に見えるのでNGです」と中村氏。ここはぜひ気をつけたい。
Profile 中村達也氏
『ビームス』クリエイティブディレクター。2007年より現職。自身のブログ「ELEMENTS OF STYLE」(https://ameblo.jp/beams-class/)の他、ウェブメディア「MR_BEAMS」やインスタグラムなどで、時代を見据えたスタンダードなメンズスタイルを発信。
photographs_Toru Oshima
〇LAST issue21 より