サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?
Church’s チャーチ
BURWOOD
丸みのあるトウから感じる英国らしさ。
1873年に英国・ノーザンプトンで創業し、今日のように同地のさまざまなシューズメーカーが広く知られるようになる以前から、長らく英国高級既製靴の代名詞的な存在だった同社。現在展開中の木型でも、往時のシルエットをそのまま残しているものとして挙げられるのはラスト「81」だろう。そしてこのラウンドトウの木型を最も活かしたスタイルは、フルブローグではないだろうか。両者の組み合わせによって表現されているのは、昔日のカントリージェントルマンに繋がる英国らしいカジュアル感だ。そのスタイルは、変容激しいメンズウェアの世界においても、常に「使われ」「参照される」要素といえる。
また、アッパーに使われているのは同社独自のポリッシュドバインダーレザーで、あらかじめ適度な輝きを生むよう加工が施された表面は、多少の雨などものともしないタフな質感をそなえている。変わらぬスタイルと堅牢なつくりの組み合わせ、長らく付き合える靴といえる。
photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。