サステイナブルな革靴、を選んでみる。
JOHN LOBB LOPEZ

サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?

JOHN LOBB ジョンロブ
LOPEZ

『ジョンロブ』ならではの、フルグレインのブラックカーフを使った「ロペス」。アッパーのサイドのパーツは一枚革で、均質さが求められる贅沢な革使いになっている。エプロン部のモカステッチはハンドステッチによるもので、糸のかすかなテンションが感じられる縫い目がシンプルなスタイルにクラフト的な感覚を付加している。
¥198,000(ジョンロブ ジャパン tel.03-6267-6010)

シンプルなスタイルゆえの高い品質。

「ウィリアム」と並んで、同ブランドのマスターピース的存在として挙げられるのが、ペニーローファー「ロペス」である。こちらも元々はアメリカの野球選手からのオーダーでつくられたビスポークの靴で、その選手の名前から「ロペス」と名づけられた。そして『ジョンロブ』がレディメイドシューズの靴づくりをスタートした際に、いちはやく製品化されたスタイルだった。スプリットトウ(トウ部で縫い合わされている状態)ではなく、踵部を起点/終点とする大型のパーツを使い、さらにエプロン部の縫い合わせ(モカステッチ)はハンドステッチで行われている。一見ごくシンプルなスタイルの中には、同社の品質へのこだわりとクラフツマンシップが色濃く反映されているのだ。また、使用されている「4395」ラストは同社で最初のローファー用の木型で、幅広で適度な厚みがあるラウンドトウのもの。ドレスともカジュアルともつかない佇まいが、長く愛好され続ける理由なのかもしれない。

SIDE
横から見ると、意外に厚みのあるトウ部がよくわかる。シングルソールと低めのヒールの組み合わせで、リラックスした着用感がもたらされている。
ABOVE
履き口は大きすぎず小さすぎず、ローファーとしては適度なフィット感がある。ノーズは他のローファーと比べるとほんの少し長めで、それが独自の存在感に繋がっている。

photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。

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