サステイナブルな革靴、を選んでみる。
L.L. BEAN Bean Boot

サステイナブルな革靴とはどういうものか。持続性を3つの項目に分けて考えてみた。果たしてそれは納得できるものなのか?

L.L. BEAN エル・エル・ビーン
Bean Boot

8インチの「ビーン・ブーツ」。熟練の職人によるトリプルステッチでアッパーとゴム製のボトムが縫い合わされたスタイルは、20世紀のはじめに紹介された時と大きく変わっていない。もっとも木型はより精巧なものが使われていて、さらに土踏まずにはスチールの補強材が配され、フィット感や安定性は高められている。
¥21,000(L.L. Beanカスタマーセンター tel.0422-79-9131)

機能性が形になった不変のブーツ。

長い歴史を持ち、しかも当初からほぼ形を変えずに存続しているファンクショナルなフットウェアとは? その問いに対する答えのひとつが、この『エル・エル・ビーン』の「ビーン・ブーツ」だろう。同社の創設者であるレオン・レオンウッド・ビーン氏が、作業用のゴム靴にレザートップを縫い付けた「メイン・ハンティング・シュー」を1912年にリリース。以来今日まで、最初のものとほぼ同様のデザインのまま、アメリカ・メイン州の自社工場でつくり続けられているという。靴底に配されたチェーンパターンはアウトドアの現場で高いグリップ力を発揮し、アッパーからシャフトのレザー部分はタンと一体化していて、雨などが侵入しにくい構造になっている。機能がそのまま形となったそのスタイルは、これまで多くの男性を魅了してきた。おそらくこれからもこの形のまま継続してつくられ、人から人へとその存在が伝えられていくだろう、それは実にサステイナブルな存在感といえる。

SIDE
トウスプリングがしっかりとつけられていて、歩行を考慮に入れたフットウェアであることがよくわかる。小さめのヒールが特徴。泥の中などでももたつかない。
ABOVE
厚手のソックスを履いて着用することを前提に、サイズ感は通常よりも大きめになっているという。気温や湿度等に応じてインソールなどを入れて調整するのがお薦め。

photographs_Takao Ohta
text_Yukihiro Sugawara
雑誌『LAST』 issue.18 特集「サステイナブルな革靴、を選んでみる。」より抜粋。

タイトルとURLをコピーしました