「Le Moc (ル モック)」で拡張したローファーのスタイル J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)

ドレスシューズの担い手たちが追求する、ドレスとリラックスの融合の実際とは。具体的な取り組みを取り上げ、そこに込められた思いや創造性を考察する。

ドレスシューズにおけるリラックス 『J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)』

夏に履きたい快適なローファーとして。
屈曲性と軽快さを実現するマッケイ製法を採用した「ル モック」は、「180」とはまた違った美意識に基づくローファーといえるだろう。ラバー部材をビルトインしたソールも、快適志向の表れとして潔い。サドルストラップの「W」ステッチも、遊び心ある意匠だ。

「Le Moc(ル モック)」ホワイトのシュリンクレザー ¥80,000

J.M. WESTON「Le Moc(ル モック)」と「180」の違いは

J.M. WESTONの「180」といえば、「シグニチャー ・ローファー 」とも呼ばれる同ブランドを長年代表してきたモデル 。その兄弟モデルとして 2015 年に登場したのがローファー「Le Moc( ル モック)」である。グッドイヤーウェルテッドのしっかりとしたつくりの180に対して、ル モックはマッケイ製法を採用。春夏限定展開のモデルとして、軽快な着用感を追求している。

一見きわめて似たスタイルのふたつの靴だが、細部は大きく変わっている。2年の歳月をかけ開発されたというル モック用の木型は、180のそれに比べてトウ部をやや持ち上げ、足前部に厚みをもたせた形状。さらに補強を抑えたつくりによって、そうした木型の形状がはっきりと現れ、よりエッジが効いたシルエットが実現されている。木型だけでなくアッパーのパターンも大きく変更し、より足なりの形状を追求。トップラインのかかと上部は従来より5ミリ上に設定することで、足の収まりをよくしている。そしてサドルストラップ部は180にあった上下のステッチをなくして、柔軟性もたせている。

ソール周りに関しては、マッケイ製法によりコバの張り出しを極力抑え、ソールエッジは丸みもたせて削り、180とは全く違った表情を実現。ソール底部前方にラバーを組み込むことで滑りにくい仕様になっている。ヒールは180より1. 5センチ低く設定されて、よりリラックスした着用感を実現している。

靴の内部は裸足で履くことも想定してフルソック(全中敷き)仕様。アンラインドではないものの、薄いライニングが選ばれている。こうしてつくられたル モックは、多彩なカラーバリエーションで展開される。それらの靴を見て感じるのはオーセンティックな180のスタイルが、 全く別種の靴として変容しているということだ 。そこには180とは違った、リラックス感を伴った新たなローファー像が具現化されている。

3月から9月末まで展開の春夏シーズン限定のローファー 「ル モック」

色で遊ぶという旬の楽しみ方。
アッパーのカラー&素材バリエーションもル モックの大きな魅力。複数色を所有して気分や装いに応じて履き分けるのも楽しい。いずれも麻やコットンなどの春夏素材と相性の良さそうな質感を備えている。

「Le Moc(ル モック)」キャメルスエード ¥80,000
「Le Moc(ル モック)」ブラウンのシュリンクレザー ¥80,000
「Le Moc(ル モック)」ネイビースエー ド ¥80,000
「Le Moc(ル モック)」ブルーのシュリンクレザー ¥80,000
「Le Moc(ル モック)」ライトグレースエード ¥80,000

photographs_Takao Ohta

information contact
ジェイエムウエストン 青山店
tel:03-6805-1691

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