His way to dress
“個性”で注目されているデザイナー&ディレクターに、今季装いたい革靴と服の着こなしを伺った。
中込憲太郎氏 Profile
『オルビウム』『コヒーレンス』クリエイティブディレクター。今回取り上げた『オルビウム』は「ナラティブジャケット・アイコニックファブリック」をテーマに、歴史ある素材にフォーカスをあてながら、長年男性に愛されてきたストーリーあるジャケットスタイルをブラッシュアップしてコンテンポラリーな服にしている。
モノトーンなムードに合うアノニマスな『フォスター&サン』のローファー。
■今回のスタイリングについて
「アダルトなフランスのムード、それは自分たちが若かった頃に目撃した、大人たちのイメージでしょうか。BCBGやパニナロ、スローンレンジャーといった戦後のミックスカルチャーシーンの周りにいた大人たち。ゆえにヘルシーカラーではなくて、モノトーンで、でもソックスなどに綺麗なものをあわせる気分です」
■選んだ靴について
「『フォスター&サン』のレディメイドのローファーを選んでいます。アノニマスなのに、整っている印象がいい。ファクトリーメイドとしての美しさが、ローファーという靴が本来備えている軽さによく合っていると思います。これまでローファーは、妙に可愛くなるような気がして敬遠していました。この靴はいいバランスで、フィッティングも良好です」
■着こなしと装いについて
「素材同士のマッチングは考慮します。それは素材感というだけではなくて、アイテムとしての重量感や表面感、印象なども含めたマッチングです。今回の『オルビウム』のラムウールのジャケットにローファーは少し軽いかもしれないのですが、それが気分です。それと、太陽の光の質感や空気の匂いとかは大切ですね。それで季節感と、合わせる色や素材が決まってきます。秋の色、真夏の色があると思っているので」
photographs_Toru Oshima, styling_Tomohiro Saito
〇 LAST issue21 より