「革靴と服の着こなし」クリエイティブディレクター 中込憲太郎の選ぶ『フォスター&サン』

His way to dress
個性で注目されているデザイナー&ディレクターに、今季装いたい革靴と服の着こなしを伺った。

中込憲太郎氏 Profile
『オルビウム』『コヒーレンス』クリエイティブディレクター。今回取り上げた『オルビウム』は「ナラティブジャケット・アイコニックファブリック」をテーマに、歴史ある素材にフォーカスをあてながら、長年男性に愛されてきたストーリーあるジャケットスタイルをブラッシュアップしてコンテンポラリーな服にしている。

モノトーンなムードに合うアノニマスな『フォスター&サン』のローファー。

Foster & Son
先日残念ながら閉店してしまったロンドンの老舗ビスポーク靴店のレディメイドラインのローファー「BURFORD」グッドイヤーウェルテッドの英国ノーザンプトン製。中込さん私物。
「スカーフは巻かずに首にかけるだけ、または少しクロスする程度」と中込さん。Vゾーンはモノトーンで統一されシックな印象。「トロピカル オフィサー」はこのように襟をちょっと立てて着ることもできる。
「こういうちょうどよく中途半端な色が他のアイテムと合わせやすいです」と中込さん。ヴァイオレットカラーのホーズが映える、製品染めらしい90 年代の501はやや細身でコンパクトなシルエット。クリースを軽くつけて穿く。

■今回のスタイリングについて
「アダルトなフランスのムード、それは自分たちが若かった頃に目撃した、大人たちのイメージでしょうか。BCBGやパニナロ、スローンレンジャーといった戦後のミックスカルチャーシーンの周りにいた大人たち。ゆえにヘルシーカラーではなくて、モノトーンで、でもソックスなどに綺麗なものをあわせる気分です」

■選んだ靴について
「『フォスター&サン』のレディメイドのローファーを選んでいます。アノニマスなのに、整っている印象がいい。ファクトリーメイドとしての美しさが、ローファーという靴が本来備えている軽さによく合っていると思います。これまでローファーは、妙に可愛くなるような気がして敬遠していました。この靴はいいバランスで、フィッティングも良好です」

■着こなしと装いについて
「素材同士のマッチングは考慮します。それは素材感というだけではなくて、アイテムとしての重量感や表面感、印象なども含めたマッチングです。今回の『オルビウム』のラムウールのジャケットにローファーは少し軽いかもしれないのですが、それが気分です。それと、太陽の光の質感や空気の匂いとかは大切ですね。それで季節感と、合わせる色や素材が決まってきます。秋の色、真夏の色があると思っているので」

『オルビウム』の「トロピカルオフィサー」。生地はブラックカラーのラムウールツイード。ミリタリーウェア由来のフロント4ポケットが機能的。¥192,500(オルビウム info@orbiumofficial.com)
ブラックベースに白の柄が配された『シャルべ』のシルクスカーフ。
2点留めナイロールのアイウェア。日本製のヴィンテージ。
イタリア『ドーリア』のベレー
『オルビウム』のロングプラケットポロニット。首元がぴったりする感じがいい、とのこと。
『HARPO for BEIGE HABILLEUR』のブラックジェットがインレイされたバックル(ズニ族)を使ったレンジャーベルト。1980年代にパリジャンたちがネイティブアメリカンのアクセサリーを取り込んでいたイメージで。
メイド・イン・フランスのリーヴァイス501。畳んで自然なクリースをつけて、丈はノークッションのジャストレングス。
フレンチ感あるヴァイオレットカラーのコットンホーズ。最近は色モノを履きたい気分、と中込さん。(以上中込さん私物)

photographs_Toru Oshima, styling_Tomohiro Saito
〇 LAST issue21 より


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