『RENDO(レンド浅草)』浅草メイドの「普通の靴」を目指して

いまや東京を代表する観光地である浅草だが、この界隈は長らく日本の靴づくりを担ってきた地域であり、現在も靴製造のさまざまな工程を担うメーカーや工房が存在している。『レンド』はそうした地域のノウハウや担い手と「連動」する靴づくりを目指して、2013年に吉見鉄平さんが設立した。ショップは吉見さんたち制作スタッフのアトリエも兼ねている。奥でパターンメイキングや縫製が行われる一方、店頭には展開している靴のサンプルが並び、箱に収められた商品が棚に積まれている。

『レンド』店内の様子。奥は吉見さんたちのアトリエになっている。

日本の靴づくりを担う浅草で営むアトリエ&ショップ『レンド』

2017年に発表した、従来の「770」よりスマートな木型「845」の登場で、顧客の幅が広がったと吉見さん。770のみの展開だった4年間で得られた顧客データをもとに、新たな木型を開発することができた。現在はローファー用も含む4種の木型が展開されている。価格の20%〜30%程度のアップチャージで、パターン・オーダ
ーも受け付けている。革変更やソール仕様の変更が中心で、部分的なデザイン変更は一箇所プラス3000円。納期は90日〜120日。

また、木型に「乗せ甲(修整パーツなどを貼る)」するオーダーも可能という。パターンへの影響も考えられることから、オーダーの可否、そして金額、納期などは吉見さんと相談が必要だが、こうした対応は、生産者と販売者が一致し、かつ顧客とつくり手が近いゆえの特徴ともいえるだろう。

木型に「乗せ甲」している様子。これでつり込むだけで、フィッティングは大きく変わる。
パターン・オーダーのサンプル。フランスのタンナーの革などでもオーダーも可能。
取材時アトリエ内では渡辺さんがアッパーの縫製を行っていた。
既製靴のサンプルが並ぶ棚。靴工場のラックも什器として使っている。
スタッフの渡辺舞子さん。『レンド』の靴づくりも担っている。

shop information
『RENDO』
住所 : 東京都台東区浅草7-5-5
電話 : 03-6802-3825
営業 : 13:00~19:00 火・水休
7-5-6, Asakusa, Taito-ku. Tokyo
Open 13:00~19:00 closed on Tue&Wed
https://www.rendo-shoes.jp

浅草の熟練した靴づくりとパタンナーのノウハウを活かした『レンド』。細身の新ラストで、さらに幅広い対応。

浅草の熟練した靴づくりの技術をベースとして、パタンナーとしてのノウハウを活かしてつくられる、現代のクラシックシューズ。グッドイヤーウェルテッド&ダイナイトソールの既製靴が中心だが、最近はパターン・オーダーの要望も多く、ここではそうしたパターン・オーダーのサンプルを紹介している。パーフォレーションを配したり、コンビ素材にすることで、ベーシックなスタイルに独特の個性を付加することができる。納期は90日~120日。

77011
ダークブラウンのカーフ&イングリッシュグレインをコンビ使いしたチェルシーブーツ。¥54,000~[オーダー価格](レンド tel.03-6802-3825)
7708
ブラウンレザーのセミブローグオックスフォード。パーフォレーション&レザーソールのオーダー。¥55,000~[オーダー価格](レンド)
84512
ブラウンスエードのプレーンダービー。アッパー素材のオーダー。¥49,000~[オーダー 価格](レンド)

photographs_Hirotaka Hashimoto
〇 雑誌『LAST』 issue.16 より


タイトルとURLをコピーしました